[山口県]周防国衙跡が「ふれあい広場」に 地域住民が整備し活用、6日オープニングイベント 防府市
防府市国衙の史跡「周防国衙跡」が、地域の人たちによって多世代が触れ合う広場として活用されることになった。「ふれあい広場」と名付け、6日にオープニングイベントを開く。 松崎地域まちづくり推進協議会会長の山本竜夫さん(59)によると、周防国衙跡の公園には史跡の説明板や石碑があるものの、一部は雑草に覆われるなど貴重な文化財が十分に活用されていなかった。そこで、地域の人たちが市の担当職員と活用方法を検討し、車が通行する通り沿いに花壇を新たに整備。花壇をきっかけに、子どもたちに文化財の歴史的な意義を継承していく仕組みや仕掛けづくりに取り組むことになった。 オープニングイベントは6日午前10時、全国大会へ近く出場する松崎小学校吹奏楽部のファンファーレ演奏で開幕。白ハトの放鳥や花苗の植栽、風船飛ばし、餅まきなどで祝う。同校の児童が司会や説明などを担当し、貝合わせやすごろくといった平安時代の遊びや十二単(ひとえ)の着付け体験、歴史クイズ、宝さがし、菓子まきなどを予定している。 山本さんは、今後、花壇を増やし、小中学校などのイベントでも広場の活用を呼びかけたい考え。「周防国衙跡の歴史的意義を継承しながらみんなが集える史跡公園にしたい。取り組みが地域から市全域、県、県外へ発信できれば」と期待を込める。 周防国衙跡は周防国の行政をつかさどる役所(国府)が置かれた所で、これまでの発掘調査で奈良時代から平安時代の役所が周辺一帯に広がっていたとみられることが分かった。平安時代の歌人、清少納言が少女時代を過ごしたとされる。政庁があったと推定される場所が公園として整備された。