レノボのCMOが語る、新たに生まれた AI テクノロジー製品のマーケティング
──AIが企業とエージェンシーのコラボレーションに役立つと話すCMOもいるが、そうなる可能性を感じている?
私はそうなると確信している。AIはブリーフィングのプロセスを変えるだろう。なぜなら、本当に説得力のあるブリーフィングを作り上げる作業が一番難しいからだ。ブリーフィングを読むと、「動き出し、コンセプトを作り上げて、行動に移そう」といったようなことが書いてある。私はキャリアの15~16年間をエージェンシーのアカウント担当者として過ごし、クリエイティブを取りまとめたり、クリエイターをインスパイアしたり、シミュレーションを繰り返したりしてきた。このようなプロセスを、素晴らしいブリーフィングを通じて実行できるとしたらどうだろうか。あるいは、ブリーフィングの素案を作成できるとしたらどうだろうか。 偉大な作家のアン・ラモンが、私の大好きな本のひとつである『Bird By Bird』で述べているように、とにかく書き始め、推敲に推敲を重ねるしかない。(AIから)ブリーフィングを受け取ったら、私はそのブリーフィングを洗練させ、まとめ上げ、例を示せるようになる。大きな変化がプロセスにもたらされると考えている(中略)その成果をクリエイティブチームに見せて、「こんなことが実現すると思っていた?」と尋ねれば、彼らは「確かに、もう実現しているようだね」と答えるだろう。
──多くの主要ブランドが独自の製品発表で注目を得ようと競い合うCESのようなイベントで、一歩抜け出すためにしていることは?
顧客を中心に置けば、それが突破口になる。あとは数値化するだけだ。適切な期待値を設定してイベントに参加し、会話に加わってその会話をリードするには、何が突破口になるのだろうか。考えてみれば、世界中にある「Windows」PCの3台に1台はレノボ製だ。つまり、私たちはストーリーを語るための素晴らしいプラットフォームを持っている。そして、このプラットフォームが能力をもたらし、機会をもたらしてくれるのだから、突き進むしかない。これが多角的なアプローチの重要な要素だ(中略)自分たちの製品を見せびらかそうとしてはいけない。賢明に、控えめに行動し、自分たちの製品を洗練させることで、突破口を開くチャンスが実際に生まれるのだ。 [原文:Lenovo’s CMO on marketing its AI-powered technologies in a new and crowded market] Marty Swant(翻訳:佐藤 卓/ガリレオ、編集:分島翔平)
編集部