Jリーグには「もっと若い監督が出てこないと」 クリアすべき課題…気鋭の識者が野望明かす
「ヨーロッパで監督をしている日本人がいるかと言ったらまだそこは全然いない」
「ヨーロッパでプレーしている日本人選手は増えているけど、ヨーロッパ、プレミアリーグで監督をしている日本人がいるかと言ったらまだそこは全然いない」と林氏は言う。ヨーロッパのトップクラブでプレーする日本人選手が増えている一方で、日本人指導者がヨーロッパのトップクラブで指揮を執る例はまだない。今後、日本のサッカー界が発展していくためには、指導者という側面でもレベルアップしていく必要があるのだろう。 現在、JFAのProライセンスは「UEFAプロライセンス」とは互換性がないため、このライセンスでは欧州クラブで指揮を執ることはできない。ただ、アジアサッカー連盟と欧州サッカー連盟の間で指導者ライセンスの互換性に関する検討が進められており、林氏は「プレミアとかブンデスとかでもできるような互換性を持たせようと今しているので、そこ(の互換性)が生まれると、より幅は広がってくるのかなと思います」と期待する。 「リバプールの(アルネ・)スロット監督は元々フェイエノールト時代から良い監督だなと思っていたので、ここまでの活躍は不思議ではないですし、スロットの監督像っていうのはすごく目指している部分ではあります。攻守に明確な戦い方があります。攻撃もポゼッションだけではないですし、カウンターもできる。守備も前からプレッシャーかけるときに誰が相手によって、そのプレッシャーのかけ方も変えたりとか、試合中の修正がとにかく早いところ、それはすごく見ていて勉強になります」 今季から遠藤航の所属するリバプールを指揮するアルネ・スロット監督を“目標”に掲げる林氏。「いろんな監督の良かったところを自分の中にとどめておいて、自分のスタイルで監督になりたい。自分の目指すものに近づいていきたいって感じです」。近年、“戦術マニア”として広く知られるようになった林氏が、指揮官としてタクトを振る時が楽しみだ。
福谷佑介 / Yusuke Fukutani