英スタートアップ「Nyobolt」がEV充電時間を2分の1以下に。ガソリン車の給油時間に近づく
EV充電時間は間もなくガソリン給油時間と並ぶ!?
6月から始まった車載テストには、50アンペア/35kWhのバッテリーを搭載した専用開発のプロトタイプEVが使用された。車両設計とデザインを担当したのは、ジャガーやアストンマーティンで辣腕をふるったイアン・カラム氏が率いる英CALLUM(カラム)社。実車のデザインは、ロータス・エリーゼをデザインしたジュリアン・トムソン氏だ。トムソン氏は、エリーゼのデザインを元に既存のプラットフォーム設計でも電動化できることをアピールしている。 バッテリーを35kWhという比較的小容量に設定したのは、「(軽量スポーツカーと)コンパクトなバッテリーを組み合わせることで、低コストで高効率かつ十分な性能を提供できることをアピールするため」と説明されている。 実験に使用した急速充電器は出力350kW、車両側は800Vでオペレーションされている。結果はSOC10%~80%までわずか“4分37秒”という途方もないスピードを達成した。また航続距離は、換算すると155マイル(WLTPモード:約249.45km)に相当するとのこと。しかも最初の4分間は500アンペアを維持することにも成功し、つまり4分間充電すればおよそ190kmの航続距離が回復できることになる。 同社は1年以内にバッテリーシステムの少量生産を開始し、2025年にはそれを1000パックに増やす予定。将来は年間200万パックの生産も視野に入れているようだ。すでに自動車メーカー8社と同社の技術導入について協議しているというだけに、計画が実現する可能性はかなり高いと言えそうだ。そうなれば、自宅に充電設備が設置できなくても、ガソリンスタンドで給油する感覚で充電することができるようになる。 なお同社ではEVを生産する計画はなく、あくまで超急速充電バッテリー技術の供給に限定している。EVに限らず、ロボットや民生用機器などさまざまな領域での活用を意図しているようだ。