突然の施設閉鎖で入居者が退所を迫られていた老人ホーム運営のオンジュワールが破産
(株)オンジュワール(TDB企業コード:621006156、資本金100万円、東京都中央区日本橋茅場町2-1-11、代表黒岩将大氏)は、11月27日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。 破産管財人には清水靖博弁護士(明哲綜合法律事務所、東京都中央区日本橋茅場町3-12-2、電話03-3527-2121)が選任されている。 当社は、2011年(平成23年)12月に三重県桑名市で設立。休眠状態が続いていたが、2018年12月に新代表が就任するとともに、(株)ブーザーから現商号に変更し、さいたま市大宮区へ本店を移転。新代表が別途経営に携わっていた医療法人(診療所)の訪問診療推進などを目的として事業を開始。2021年4月のサービス付き高齢者向け住宅「ジャルダン柏たなか」の開設を皮切りに、「ジャンティエス松戸」(住宅型有料老人ホーム、22年4月)、「プロスぺリテ川口柳根」(障がい者グループホーム、22年12月)など、「ジャルダン」「ドクターハウスジャルダン」「プロスペリテ」「ジャンティエス」の名称で住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、障がい者グループホームを千葉県内を中心に神奈川、茨城、埼玉、福岡に2024年2月までに計11施設を開設。この間、2022年2月に本店を千葉県流山市に移転し、2023年9月期の年収入高は約5億9600万円を計上していた。 しかし、2023年11月に千葉県内の3施設の運営事業から撤退し、同事業を第三者に譲渡。さらに今年4月には埼玉県、千葉県、茨城県の4施設の運営から撤退し、第三者に譲渡していた。 今年4月に現代表が就任し、直近では足立区、千葉市、横浜市、北九州市の4施設を運営していたが、9月の給与遅配が原因で足立区と千葉市の施設で従業員が多数退職。施設運営に支障を来し、10月10日までに入居者が退所を迫られる事態となっていたことが報じられるなど動向が注目されていた。 負債は債権者約294名に対し約16億6000万円。