【全日本大学駅伝】3大会連続の区間賞に挑戦、出走を重ねるにつれて変化した意識 駒澤大・山川拓馬はアンカーに登録
佐藤圭汰だけに任せるのではなく
トラックシーズンの復帰レースは、6月に開催された東海大学長距離記録会。山川にとっては駒澤大入学後、初めての10000mでもあった。練習の一環として出場し、29分10秒72。「しっかりとタイムを狙う」と誓って出場した7月の関東学生網走夏季記録挑戦競技会では、28分36秒98の自己ベストをマークした。とはいえ、本人の表情は浮かない。「準備万端で行ったわけではないんですけど、28分半は切りたかったので、そこは納得できないですね。心残りがあります」 取り組みの成果を発揮する場となったのが、10月の出雲駅伝だった。藤田敦史監督は「青学さんは3区に黒田(朝日)君が来るんじゃないかということで、あえてぶつけた」と山川をエース区間の3区で起用。区間記録では黒田を3秒上回ったが、チームとしては4秒の先着を許した。「改めて自分のラストのやり方、レースで前に出るタイミングがうまくできていない、ということを感じました」と山川は振り返る。 他校のエース、しかも同学年選手と戦ったことで「(佐藤)圭汰だけに任せるんじゃなくて、自分もある程度のところで戦わなきゃいけない」という思いを新たにした。全日本に向けても「競って競っての勝負になると思うので、そこで勝ちきるような走りをしなきゃいけない。年々『自分が区間賞の走りを』というのは、プレッシャーでもあるんですけど、そこがあるからこそ頑張れるというのもあります」と力強い。 駒澤の選手らしい「負けん気の強さ」は十分に持ち合わせている。3大会連続の区間賞がかかる伊勢路で、今回はどんな走りを見せてくれるのだろうか。
井上翔太