【弱いから太くしている!?】特殊製法がナイロンの強度を変えた【ナイロンVSフロロ】
かつては釣り糸の主流だった「ナイロンライン」。現在はソルトならPE、バス釣りではフロロがそれぞれメインで使われており、あまり目立っているとは言えないだろう。だがしかし、そんなナイロンラインには強力なメリットもある。ご存知村田基さんに解説をお願いしよう。 【画像】「フロロよりナイロンが強い」GT-Rウルトラのスペックと価格
GT-Rウルトラ[サンヨーナイロン]
ナイロンラインを主力として使用しているアングラーは、近年ではおそらく少数派ではないだろうか。もしかすると、バス釣りを始めてこの方、フロロカーボンラインしか使ったことがないというアングラーもいるかもしれない。村田基さんは、この現状に警笛を鳴らすとともに、ナイロン、フロロカーボン、PE、それぞれの特性を実際に使って理解し、「使い分ける」ことが大切だと語る。事実、ナイロンラインのメリットに気づき、効果的に取り入れているトッププロも少なくないのだ。
フロロよりもナイロンのほうが強いという事実
「まず、ラインに関する基本的な事実をお話ししましょう。それは『同じ太さだったらフロロよりもナイロンのほうが強い』ということ。ナイロン16ポンドが100メートル巻けるベイトキャスティングリールがあるとしましょう。それにフロロ16ポンドを巻くとどうなるか。90メートルくらいしか巻けない。フロロのほうが弱いから太くしているんですね。シマノもDAIWAもリールのスペック表には必ず『ナイロン』での糸巻量が表記されているはずです」 さらに、同じサンヨーナイロンのラインナップの中でもGT-Rは特別な存在だと言う。 「ナイロンはフロロよりも耐摩耗性、要するに擦れに弱いという意見があります。一般的にはその通りなのですが、GT-Rウルトラは違う。同じサンヨーのナイロンでも特殊原糸を使用している、GT-Rウルトラはフロロよりも耐摩耗性が高いんです」。 そう言って村田さんは、一般的なナイロンラインと、GT-Rウルトラを用意し、それぞれをガイドに通して激しく擦り始めた。 「ほら、一般的なナイロンラインはすぐに切れますが、、GT―Rウルトラは切れない。製造時特殊な物質を溶かし込み、ナイロン分子の外側に特殊原糸が形成されることで、耐摩耗性を高めているんです」。