TM NETWORKの3人がトリビュートアルバムを通して語る、ユニットのバックボーン
ライブハウスからコツコツやりたくなかった
ELECTRIC PROPHET / TM NETWORK 田家:これはいつの音源ということになるんですか? 小室:「Twinkle Night」っていう。 田家:1985年11月のミニ・アルバム。 小室:その音源だと思います。 田家:ずいぶん古い音源ってことになりますね。 小室:そうですね。ちょっとずつマスタリングとか進化して、よくなっていると思うので音自体はすごくよくなっていると思いますけれどね。 田家:古いなって感じがないですもんね。1984年12月に行われた初めての公式ライブのタイトルが「ELECTRIC PROPHET」だった。 小室:あー! 宇都宮:1回ぽっきりの。 木根:1回ぽっきりの(笑)。 小室:これもさっきの「TIMEMACHINE」と一緒で、ライブの方が先にやっちゃってますね。演奏というか。後から音源を作ってます。 田家:さっきおっしゃっていた「TIMEMACHINE」があって、これができたという1つの対になっているみたいな。 小室:そうですね。これもあったというか、デビューのときから持っていた曲ですね。 田家:そのときの最後のライブ、15曲の最後がこれだった。 小室:そうです、はい。 宇都宮:まあ今で言う配信ライブだよね。 木根:無観客という。 田家:映像だけ収録するから。 宇都宮:だからすごいなあと思って。 田家:それはあらためていろいろなところで語られているんでしょうけども、ライブをやらないデビューというのがやっぱり今どんなふうに思われるんだろうとか。 小室:なんか、すごく偉そうなんですけどライブハウスからコツコツやりたくなかったんですよ(笑)。歳もそろそろ24、25歳になっていてというところで、はじめからちょっと大きなところでやりたかったのは確かで、照明とかもムービングライトみたいなのもそろそろあったので、そういうのがいいなみたいなのがあって、わがままだったんですね(笑)。 田家:やりたいことがいっぱいあるんだけども、今の予算と今の規模、機材では。 小室:そう、お前らの売れ方じゃまだ無理だよってことなんですけど、そういうのもあって売れたいというのはありましたね。そういうことがやれるようになるには。 田家:そこから40年経って、40周年の39本目と40本目が5月18日、19日にあるわけですけどKアリーナ。東京ドームのラストデイの日という、ストーリーがちゃんとここにも完結しております。木根さんのエッセイ集のタイトルになっているわけでしょう。 木根:そうですね。 田家:5冊出ているんでしたっけ。 木根:ドキュメンタリーで、僕日記とかはつけるタイプじゃないんだけども、年間予定表のノートみたいなのは1980年からずっとつけていて、今日はどこのレコード打ち合わせとか、会社でとか細かく書いてあったんです。これを辿っていけば、1つ物語が、まあ全部本当じゃなくても半分は作りながらもできるんじゃないかという発想で。で、TM NETWORK物語という。もともと『TM NETWORK物語』というタイトルだったんだけども、せっかくだからって言って、そういうタイトルをつけさせてもらって。 小室:それこそ、すごく藤井徹貫が手伝ってくれていました。 田家:もう亡くなっちゃいましたからね。ライブの最後のエンドロールを見ていたら、Dedicatetd to Tekkanってありましたね。 小室:お前な、ここまでいなきゃダメだろうっていう意味です、本当に。 田家:この「ELECTRIC PROPHET」は来週満島ひかりさんのバージョンでお聴きいただきます。来週もよろしくお願いいたします。ありがとうございました。 TM NETWORK:よろしくお願いします。ありがとうございました。 静かな伝説 / 竹内まりや 流れているのはこの番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説」です。 『40th CELEBRATION』はDisc1がトリビュート版、そしてDisc2がオリジナル版というふうに分かれているんですね。それぞれに聴きどころがたくさんありまして。トリビュート版はもちろん、この曲をあの人がどんなふうにアレンジして、どんなふうに歌っていてどういう作品に仕上げただろうかという興味があるわけですね。でも、この同じ曲がまんま同じ曲順でDisc2に入っていて、そちらはオリジナルなんですよ。つまり、2枚組で1つのグループの音楽がどういう40年だったのか。そしてそれが今どんなふうに受け止められていて、次の世代、次の時代にどう伝わっていこうとしているのかを2枚で集約しているという意味では、とてもコンセプチュアルでテーマの深いアルバムだなと思いました。 特に今日お聴きいただいたDisc2の方、オリジナル版はデビュー前に作った曲「TIMEMACHINE」とか、1985年にレコーディングされただけの「ELECTRIC PROPHET」が入っていたりして、それぞれの節目で意味を持っていたTM NETWORKの1つの骨格、バックボーン、源流みたいなものがコンパクトにまとめられているんですね。その曲について、こんなふうに本人たちに話を訊くというのは、これはなかなか貴重な機会だったなと思いますね。 トリビュート版はまだ聴いてないんだよっていう、とても微笑ましいような率直な話もあったりして、来週は初めて聴く彼らと一緒に曲について話をするという。これもまた珍しい機会になりました。今週は彼ら自身に自分たちの曲を語っていただいた、40年間経ちました。来週はトリビュート版について、いろいろ訊いていこうと思います。