カセットコンロ事故、原因の4割が誤使用や不注意 年末年始に注意
事故の4割が誤使用や不注意――。年末年始は自宅に友人や親族らが集まり、カセットコンロを利用して、鍋料理や焼き肉を楽しむ機会も増えるのではないだろうか。製品評価技術基盤機構(NITE)がこのほど記者会見し「カセットボンベの事故の約4割が誤使用や不注意が原因」として、注意を呼び掛けている。 【写真で分かる】カセットコンロの誤った使い方 ◇10年間で91件の事故 NITEに通知があった製品事故情報によると、2014~23年度の10年間にカセットコンロの事故は91件起きた。16年度の16件がピークで減少傾向にあったが、21年度4件▽22年度5件▽23年度8件――と近年は増加傾向にある。 亡くなったケースもあった。NITEによると、22年12月に兵庫県内の飲食店で、お好み焼きなどを焼く熱い鉄板の上にカセットコンロを置いて使用していたところ、カセットボンベが熱されて爆発し、客の60代女性の上半身に飛散した破片が当たり、死亡した。 NITEによると、このような「誤使用や不注意によるもの」と推定されるものが、調査中の5件を除く86件のうち33件(38%)で最多。ガスコンロで調理中の鍋やストーブなどの近くにカセットボンベを置いたことで爆発したり、カセットボンベの装着が不十分でガスが漏れ出していることに気がつかずに点火したところ、火災につながったりしたケースがあったという。 その他は、「原因不明」が20件(23%)▽「偶発的事故」が15件(18%)▽「製品の不具合など」が13件(15%)▽経年劣化が5件(6%)――と続いた。 ◇「正しく使う」徹底を NITEは①カセットコンロにカセットボンベを確実にセットする②カセットボンベが異常に熱くなるような誤った使い方をしない③取り外したカセットボンベをこたつの中やガスコンロなど熱源のそばに置かない――と注意喚起する。担当者は「カセットコンロは使い勝手がよく使用機会が増えていますが、危険な使い方によって引火や破裂の事故につながるという認識はまだまだ低い。大人数で集まる年末年始の時期に事故が起こらないように安全に気をつけて使ってください」と話している。【デジタル報道グループ】