劇団『ヨーロッパ企画』 上田誠が明かす8年ぶりに再演する理由 初出演の板尾創路が語る劇団の魅力とは
■板尾「ヨーロッパ企画の時代が来た」
板尾さんは、2019年から開催されている『関西演劇祭』でフェスティバル・ディレクターを務めていて、演劇界の新たな才能の発掘や、演劇界全体を盛り上げる活動も行っています。 ――『ヨーロッパ企画』は京都を拠点に全国を巡る劇団ですが、関西発で全国を回っている劇団というのは、板尾さんから見てどう感じていますか。 板尾:京都から彼はもう出ないっていう、別にひきこもっているわけじゃないけど。これだけ本多劇場で毎年、何十日もお客さん満杯でっていう普通なら、もう東京に拠点を移してやりそうなものですけどね。でも、やっぱり自分たちが生まれたところを大事にするっていう。「ここでもできるやん」っていう、動かなかった強さみたいな、彼の意識をすごく感じるので。今はだいぶ距離も縮まってきたので、ヨーロッパ企画の時代が来たんじゃないですか。
■一言で言えないものを味わっていただける舞台
――8年ぶりの再演となる『来てけつかるべき新世界』の見どころを教えてください。 上田:本当に新世界という場所に育てられた劇といいますか。今は新世界と呼ぶにはほど遠いようなレトロな街並みの感じがあって、そこに言葉通りの新世界がやってきて。“大阪のオッサン、おばはん、兄ちゃん、姉ちゃん”掛ける“テクノロジー”の5番勝負で、聞いたことない交響楽が鳴っているような、そんな劇ですから。舞台でないとこれは味わえない楽しさだと思いますし、笑ってる次の瞬間になぜか感動してたりとか。なぜか次の瞬間にまた笑ってたり。すごく寂しい時間が急にあったりとか、一言で言えないものを味わっていただける舞台だなというふうに思っています。