〈老後資金の調達〉〈死後の自宅処分〉がまとめて実現!?高齢者にとって夢のようなシステム「リバースモーゲージ」に潜む“見過ごせない落とし穴”
リバースモーゲージの「3つのリスク」
「リバースモーゲージ」は、一般的には55歳以上でないと借りられません。 70歳で契約して90歳で亡くなったら、金融機関が貸したお金を回収するのは20年後。けれど、40歳だと、50年後ですから、回収までに時間がかかりすぎるので対象とならないのです。 死んでから資金回収をするタイプの場合、都心の一等地の物件など、価値が下がらないことが予想されない限り、大したお金は借りられません。しかも、こうした商品には、大きく3つのリスクがあります。 (1)長生きリスク 契約者の長生きに備えて、契約期間を定めるケースがあります。契約期間を過ぎたら、返済を迫られ自宅を追い出されてしまうケースもあるのです。 (2)評価額リスク 担保物件の評価額が下がったら、借入金が予定より減らされたり、融資が中断される危険性があるのです。 (3)融資額リスク 通常、家を担保にお金を借りると、評価額の7割程度の融資が受けられますが、リバースモーゲージは2~5割程度とかなり低くなるのです。 「リバースモーゲージ」では、金融機関にしっかり見積もりを出してもらいましょう。もし、今売却したら5,000万円になる家が、1,000万円の評価にしかならないなら、家を売却して新しい小さなマンションを2,000万円で買い、3,000万円を老後の資金にしたほうが安心ではありませんか? 荻原 博子 経済ジャーナリスト
荻原 博子
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