国際危機で「核使わせない」訴え ノーベル平和賞決定後、初講話
日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の代表委員を務める田中熙巳さん(92)と田中重光さん(83)は16日、ノーベル平和賞の授与決定後初めて、さいたま市と長崎市でそれぞれ被爆講話を行った。熙巳さんは国際的に核兵器が使われる危機感が高まっていると述べ「核兵器はつくっても、使ってもいけない。つくろうかなと考えてもいけない。何よりも絶対に使わせない」と訴えた。 熙巳さんは、さいたま市の埼玉県立浦和高で講演。広島市への修学旅行を11月に予定する2年生約350人を前に、平和学習の講師として招かれた。長崎市の爆心地近くの自宅で被爆し、5人の身内を失い、自ら遺体を焼いた経験を伝えた。 生徒から被爆を体験していない立場で、核廃絶をどう伝えたら良いかと問われると「(被爆体験の)記録をできる限りたくさん見て、自分たちはどうするのかを考え継承してほしい」と答えた。 重光さんは、修学旅行で長崎市を訪れた熊本市立日吉小の6年生約70人に「受賞によって核兵器をなくすという声が広まることを大きく期待しています」と語った。