「腎臓」一度悪くなったら元に戻らず…健康診断の数値のポイントと「腎臓」を労わる方法
腎臓の数値の見方(2)「クレアチニン」
クレアチニンとは、筋肉を動かすための物質が代謝されて出てくる老廃物のこと。基準値は、男性0.65~1.07mg/dl、女性は0.46~0.79mg/dLだそうです。 <クレアチニンの数値が高いとどうなる?> 先生によると、腎臓は2段階で悪くなっていくそうです。第1段階は「尿蛋白」。糸球体の網目が大きくなり、必要な栄養素であるたんぱく質が尿として身体から出てしまいます。第2段階は、100万個近くある糸球体が徐々に潰れていき、通常よりもろ過できる量が減少します。すると、血液が腎臓に運ばれてきてもクレアチニンなどの毒素を排出できず体内に蓄積するため、クレアチニンの数値が高くなるのだとか。尿を濃くする濃縮力も低下するため、夜間多尿や倦怠感などの症状が出やすくなってしまうそうです。 <クレアチニンの数値が上がる?腎臓に悪い食生活> 先生によると、腎臓に一番負担をかけるのは「塩分」。塩分を過剰に摂ると血圧が上がり、糸球体のろ過膜にかかる圧力が上昇して膜を壊してしまうのだとか。お味噌汁やきゅうりの漬物など、和食にも意外と塩分が多く使われているので注意が必要だそうです。
腎臓の数値の見方(3)「eGFR」
eGFRは性別・年齢・クレアチニンの数値から算出される、腎臓のろ過量を表す数値。「G1(90以上)」「G2(89~60)」「G3a(59~45)」「G3b(44~30)」「G4(29~15)」「G5(15未満)」のステージに分かれており、G1は正常でG2がほぼ正常。G3aからは慢性腎臓病と診断されるそうです。 <正常でも安心できない?eGFR値の落とし穴> eGFRの基準値は60ですが、75を切ると心不全のリスクが上がり始めるそうです。腎臓は心筋梗塞や脳梗塞とも密接に関わっているため、早期に発見して早めに手を打つ事が大切なのだとか。そのため、健康診断では異常なしでもeGFRの数値が75を切ったら要注意。腎臓に負担をかけるような食生活や生活習慣を改善して健康寿命を伸ばしましょう。