「腎臓」一度悪くなったら元に戻らず…健康診断の数値のポイントと「腎臓」を労わる方法
身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。 メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。 ドクターは、東京慈恵会医科大学 腎臓・高血圧内科 医学博士 横尾隆先生です。 【動画】適度に体を動かすことも腎臓病予防に効果的!ひざ関節の負担軽減にもなる大腿四頭筋のストレッチはこちらから【0分24秒~】 今回のテーマは「~あなたの寿命を左右する!?~名医に学ぶ!腎臓の数値の見方」 実は、成人の5人に1人が「慢性腎臓病」と考えられているそうです。腎臓は一度悪くなったら元に戻らず、人工的に機能を補う人工透析治療が一生続きます。しかも、腎臓は他の臓器と密接に関係。腎機能が低下すると、その関係性が崩れ心筋梗塞や脳卒中などの心血管病が起こる危険性が高まり、近年は認知症に関係することも分かってきているのだとか。そこで今回は、腎臓の衰えをイチ早く察知すべく、健康診断の数値を読み解くポイントや腎臓を労わる方法を専門医に教えてもらいました。
腎臓の基礎知識
<腎臓について> 腎臓は身体の中央、背中側に2つあり、1つの重さは120~150gと人体の中でも比較的小さな臓器です。その主な役割は、血液をろ過し体の毒素を尿として排出する事や、体の水分量を一定に保つ事などがあるそうです。 <慢性腎臓病はどんな病気?> 慢性腎臓病(CKD)とは、腎機能の低下や腎臓の障害が3か月以上続いた状態の事を言うそうです。 <健康診断の腎臓の数値は?> 腎臓の機能や異常をチェックする時に注目するのは「尿蛋白」「クレアチニン」「eGFR」の3項目だそうです。
腎臓の数値の見方(1)「尿蛋白」
尿蛋白は、主に「-」「±」「1+」「2+」「3+」の5段階で診断され、「±」以上が基準値以上で注意が必要だそうです。 <尿蛋白の原因> 正常な腎臓は、「糸球体」という血液をろ過する組織がたんぱく質などの栄養分を血液内に残し、老廃物や水分などを尿として出します。ところが、腎臓のフィルターの網目が大きくなるなど働きが低下すると、たんぱく質などの栄養分が血管から漏れ出て尿に混じり尿が泡立つ事につながるのだとか。これが尿蛋白の原因。先生によると、尿蛋白の検査は感度があまり良くなく、数値が「-」でも、約10人に1人は尿蛋白が出ている事があるのだとか。そのため、数値が正常であっても泡立つ尿が出る人は一度精密検査を受けた方が良いそうです。尿蛋白が悪化すると、息切れや貧血などの症状が出る事もあるそうなので、健康診断の結果だけではなくトイレの際はぜひ確認をしてみてください。