河合優実『ルックバック』監督もオーディションで即決「ひと言で決めた」
第16回TAMA映画賞授賞式(第34回映画祭 TAMA CINEMA FORUM)が30日、多摩市・パルテノン多摩にて開催。今年5作品が公開された河合優実が最優秀女優賞を受賞した。 【写真】河合優実、『ルックバック』押山監督、『ナミビアの砂漠』の山中瑶子監督と受賞喜ぶ 多摩市及び近郊の市民からなる実行委員が映画ファンの立場から表彰する映画賞。 『ナミビアの砂漠』『あんのこと』『ルックバック』『四月になれば彼女は』という今年公開された5作品で最優秀女優賞を受賞した河合。 「今年はいろんなことがあった1年でした。カンヌ国際映画祭にも行かせていただき、自分の過去作や今年の公開作をちゃんと見てくれている海外の方と触れ合い、届いているんだと実感しました」と振り返り、それぞれの作品の現場に「特別なものづくりの場に立ち会えました」と感謝。 また『ナミビアの砂漠』の山中瑶子監督は最優秀新進監督賞を、河合が声の出演をしたアニメーション『ルックバック』押山清高監督も特別賞を受賞。 押山監督と山中監督も河合の横に並び、受賞を祝福。 テープオーディションで河合に即決したという押山監督は「声優さん役者さん100人以上から、藤野という難しい役を決めるのでかなり悩むだろうなと思ったんですけど、河合さんのひと言目を聞いたら“この子”とすんなり決まってしまった」と振り返り、声優初挑戦だった河合に「いきなり上手くて(笑)。不安をいっぺんに吹き飛ばしてくれた」と感嘆。 山中監督も高校時代の河合と出会った当時を「まなざしの鋭い、勝気な目をした子が来たな、と思った」と述懐。そんな山中監督はガザやウクライナ問題に言及しつつ「この時代に映画を撮る意味を考え続けたい」と語り、河合も「まさに同じことを言おうと考えていました。世界に痛みが増え続けているように私も感じているので、そういう世界で自分が物を作ることが世界にどういう働きかけになっているのか考え続けたい」と今後への意欲も語っていた。 【受賞一覧】 最優秀作品賞:本年度最も活力溢れる作品の監督及びスタッフ・キャストに対し表彰 『夜明けのすべて』 三宅唱監督 及びスタッフ・キャスト一同 『ぼくのお日さま』 奥山大史監督 及びスタッフ・キャスト一同 特別賞:映画ファンを魅了した事象に対し表彰 呉美保監督 及びスタッフ・キャスト一同 (『ぼくが生きてる、ふたつの世界』) 押山清高監督 及びスタッフ・キャスト一同(『ルックバック』) 最優秀男優賞:本年度最も心に残った男優を表彰 藤竜也 (『大いなる不在』) 吉沢亮 (『ぼくが生きてる、ふたつの世界』『キングダム 大将軍の帰還』『かぞく』) 最優秀女優賞:本年度最も心に残った女優を表彰 上白石萌音(『夜明けのすべて』) 河合優実(『ナミビアの砂漠』『あんのこと』『ルックバック』『四月になれば彼女は』) 最優秀新進監督賞:本年度最も飛躍した監督、もしくは顕著な活躍をした新人監督を表彰 近浦啓 監督 (『大いなる不在』)ビデオメッセージ上映 山中瑶子 監督 (『ナミビアの砂漠』) 最優秀新進男優賞:本年度最も飛躍した男優、もしくは顕著な活躍をした新人男優を表彰 松村北斗(『夜明けのすべて』『ディア・ファミリー』『キリエのうた』) 齋藤潤(『カラオケ行こ!』『瞼の転校生』『からかい上手の高木さん』『正欲』) 最優秀新進女優賞:本年度最も飛躍した女優、もしくは顕著な活躍をした新人女優を表彰 森田想(『辰巳』『朽ちないサクラ』『サユリ』『NN4444』『愚鈍の微笑み』『正欲』) 早瀬憩(『違国日記』『あのコはだぁれ?』)