「服をびりびりに破かれた」「”電流棒”で何度も突かれて、感覚がなくなった」...イランの刑務所で女性に対して行われた「地獄の拷問」
小さな勝利
――面会はどうでしたか? ショコウフェ:3ヵ月ごとに、対面の面会がありました。 ――ナジラ、服装の規定はありましたか? ナジラ:カルチャク刑務所に連れて行かれたときは、チャドルの着用がルールだった。私たちだけ着ていないと、他の囚人と馴染めないだろうと言われ、それもそうかと思ってチャドルを着ることにしたの。ある日、刑務所の房長の部屋に行くように言われ、コートを着てヒジャブも巻いた。それなのに、看守はチャドルを着ないのなら房長に会えないと言う。「そういう決まりなんですね」と私は答えたわ。「それなら行きません」 それで自分のベッドに戻った。ついに向こうが折れるしかなくなり、私はコートとヒジャブで行った(神秘主義者は神と自身の直接対話を求めるため、イスラム教の戒律に限らず人為的ルールを認めない傾向にある)。 また別の日、家族が面会に来ていると言われ、私はまたチャドルを着ないで出てしまったの。再び看守が私を面会室に行くのを止め、チャドルなしでは面会できないと言う。だから私は独房に戻ったわ。看守が説得に来て、3ヵ月ぶりの顔を合わせての面会なのだから、チャドルを着て会いに行け、と言うの。私はチャドル姿なら家族に会わないと譲らなかった。ついに向こうが根負けして、私はチャドルを着ないで家族と面会できた。 翻訳:星薫子
ナルゲス・モハンマディ(イラン・イスラム共和国の人権活動家・ノーベル平和賞受賞者)
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