「地下洪水」で断層ずれた? 阪神大震災のきっかけか
地震の原因として指摘されるものの一つに地下水の動きがある。筑波大の研究チームは1995年の阪神大震災について、有馬温泉(神戸市)の地下にフィリピン海プレートから大量の水が供給され、洪水のようにあふれて断層がずれやすくなり、引き起こされた可能性があるとの分析結果を6日までにまとめた。 【画像】被災で気付いた「突っ張り棒」取り付け失敗例
阪神大震災の震源域と有馬温泉は数十キロの距離で、チームの山中勤教授は「震源域の断層に水が大量に供給されたことで、摩擦力が下がってずれやすくなり、地震が起きたと考えられる」と話す。 チームは、温泉や地下水にどれだけ重い酸素分子と水素分子が含まれるかを示す「同位体比」で水の起源を調査。七つの源泉で測った同位体比などを基に、温泉水のうち、地下にあるフィリピン海プレートから供給された水の割合について、時間的な変化を分析した。 その結果、60年代以降はプレート水の割合は一貫して減る傾向にあったが、95年前後に急上昇したことが判明。特に3カ所では、地震発生前の94年ごろにプレート水の大量供給が起きたことが分かった。