佐津川愛美、強烈キャラで圧倒的な存在感!腹黒ブリッ子、ゴスロリ、アイドル的存在まで…演じるのは「楽しい記憶しかない(笑)」
デビュー作『蝉しぐれ』(黒土三男監督)で第48回ブルーリボン賞助演女優賞にノミネートされ、2007年には、映画『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(吉田大八監督)で、第50回ブルーリボン賞助演女優賞と新人賞の2部門にノミネートされた佐津川愛美さん。 【写真を見る】地元・静岡で14歳のときにスカウトされた佐津川愛美さん 腹黒いブリッ子やゴスロリ少女をはじめ、個性的なキャラにも果敢に挑み、圧倒的な存在感で多くのドラマ、映画、舞台に出演。 2024年4月5日(金)に公開される主演映画『毒娘』(内藤瑛亮監督)のほかに、『バジーノイズ』(風間太樹監督)、『かくしごと』(関根光才監督)の公開が控えている。
初めてのオファーに「なぜ私?」
2009年、佐津川さんは、映画『鈍獣』(細野ひで晃監督)に出演。この作品は、宮藤官九郎さんが岸田國士戯曲賞を受賞した同名舞台を自ら映画用に脚本を書き直して映画化。何度殺しても絶対に死なない“鈍い男”(浅野忠信)をめぐる人々が巻き起こす騒動を描いたもの。佐津川さんは、フリフリの可愛い衣装で男たちを翻弄する腹黒いブリッ子キャラのノラを演じた。 「撮影は楽しかった記憶しかないです。衣装がすごく派手で可愛かったです。衣装合わせのときにもっともっと…みたいな感じで(笑)。すごくカラフルで派手な衣装なのですが、地味に思えてくるという謎の錯覚がうまれていました。浅野さんの衣装も派手でしたし、皆さんわりと個性的なキャラクターだったので」 ――テンションが高くてすごい展開でした。かなり突飛なこともあって。 「すべてを理解するのは難しかったかな。出来上がった作品を見て、こういう話だったんだなって思ったところはたしかにあった気がします」 ――ご自身の衣装姿はいかがでした? 「たしかあのときに初めて髪の毛を染めたんじゃないかな。色を抜いてオレンジみたいな色に染めて、それが楽しかった記憶があります。それまでとまったく違う感じになったのでうれしかったです」 2009年には、映画『悪夢のエレベーター』(堀部圭亮監督)に出演。この映画は、エレベーターに閉じ込められてしまったワケあり気な男女4人(内野聖陽・モト冬樹・斎藤工・佐津川愛美)が、救助の来ない密室の中で、なぜかお互いの秘密を暴露しあっていくハメになり不信感を募らせていくが、エレベーターの外では更なる悪夢が…という展開。佐津川さんは、自殺願望をもったゴスロリ少女・カオリを演じた。 「カオリは精神的に病んでいて、本当に危ない人でした(笑)。この作品は、初めてオファーいただいた作品だったんです。それまでは、やっぱりオーディションを受けて選んでいただいていたので、役に合っているのかなみたいな気持ちだったのが、オファーをいただくってなったら急に不安になっちゃったところはあります。 初めて監督さんにお会いしたときに、『なぜ私なのでしょうか?』ってお聞きしたら、『たくさんの人がいるなかで、佐津川さんのお芝居を見ていいなって思ったのだから、ある意味一番大きなオーディションに受かったんだよ』って言ってくださったので、『それなら頑張ろう!』って思った記憶があります」 ――監督は佐津川さんのいろんな作品をご覧になってそう思われたのでしょうね。 「そうみたいです。それこそ『腑抜けども』も見てくださったとおっしゃっていました」 ――カオリは、最初は病んでいることは感じさせないわけで難しいですよね。 「そうですね。それで、実は…という、どんでん返しみたいな感じでおもしろかったです」 ――エレベーターの中の撮影はどのように? 「セットを組んでくださって、普通よりちょっと大きめのエレベーターだったんです。初めてその中に入ったとき、みんなで『わりとおっきいね』って言っていました。おもしろかったです」