佐津川愛美、強烈キャラで圧倒的な存在感!腹黒ブリッ子、ゴスロリ、アイドル的存在まで…演じるのは「楽しい記憶しかない(笑)」
2016年、佐津川さんは映画『ヒメアノ~ル』(吉田恵輔監督)に出演。パートタイムでビルの清掃会社で働いている岡田(濱田岳)は、バイトの先輩・安藤(ムロツヨシ)が想いを寄せるカフェの店員・ユカ(佐津川愛美)との仲を取り持ってくれと頼まれる。ところが、ユカから何者かにストーキングされていると打ち明けられる。 ユカをストーカーしているのは、岡田のかつての同級生で、学校で執拗な酷いいじめを受けていた森田(森田剛)だった。彼は、まるで呼吸をするように殺人を繰り返していた。岡田は森田にユカのことを話すが、知らないと答える。しかし、森田はストーカー行為はやめず、かつて自分をいじめていた主犯をはじめ、次々と殺害を重ねていく。そんななか、岡田はユカから告白され、2人は内緒でつき合うようになるが、森田は執拗にユカの居所を追って…という展開。 ――佐津川さんは、とても可愛くてアイドル的な存在で、男性陣が何とか想いを遂げようと躍起になります。男性陣が皆さん、個性的なキャラでしたね。 「前半のポップな部分ではムロ(ツヨシ)さんと(濱田)岳くんとのシーンは、すごく楽しんで撮っていました。 それで、その後に森田(剛)さんとのシーンになったときは、『違う作品を撮っているのかな?』っていうぐらいテイストが違っていて緊張しました」 ――森田さんは、普通の男の子だったのに、執拗にひどいいじめを受け続けているうちに、彼の中で何かが変わってしまった。人格をも変えてしまうほどいじめが及ぼした影響が大きかったんだなと思いました。 「極端ですけども、こういうこともあるのかなって感じがしました。何の躊躇もなく人を殺めてきたのですが、最後に車で逃げているとき、路上で轢きそうになったワンちゃんを避けるためにハンドルをきって横転する。昔自分が飼っていた犬と似ている犬が出てきて…って、泣きそうになっちゃうんです、いつも」 ――たくさんの人を殺してひどいことをやっているのですが、彼の中にかろうじてあった人間性が感じられて、撮り方もうまいなあって思いました。 「回想シーンで後からわかるようになっていて、本当に吉田監督は天才ですよね。大好きです」 ――撮影はスムーズでした? 「そうだと思います。監督がこだわりがあるところはすごくあるという感じなので、私はカフェのシーンでのお水の出し方とか、出した後の下がり方とかを細かく演出してもらいました。『モテる女の子はこういう子だ』というイメージが監督の中にあったみたいで」 ――とても可愛くてみんなが惹かれていくのがよくわかりました。 「監督のおかげです(笑)。原作ではもうちょっと大人っぽいイメージなのですが、監督のイメージで、ああいう可愛らしい感じになりました。 衣装合わせが1回目で決まらなくて、2回目を別日にやったんです。別日に衣装合わせということは、あまりないんです。それであらためて衣装を用意してもらって、2回目に監督にお会いしたときに『そうそう、何かこういう格好をしている子が本当はエロいんだ』っておっしゃっていました(笑)。 監督の中のイメージだったみたいで、『今回監督がやりたい作品の女の子はきっとそういう子なんだな』って思いました。だから衣装にもこだわっていて、衣装合わせを2回やったのは私だけだったと思います」 ――すごく迫力ある作品ですが、印象に残っているシーンはありますか? 「全部楽しかったです。岳くんとのラブシーンと、最後の森田さんからの暴行シーンは緊張感がありましたけど、全体的にとてもいい現場でした。大好きです」 個性的な男性陣の中でも圧倒的な存在感を放っている佐津川さん。演技力に加え、難解で複雑な役柄にも体当たりで挑み、多くの作品に出演。 次回は、主演ドラマ『サブスク不倫』(TBS系)、2024年4月5日(金)に公開される主演映画『毒娘』の撮影エピソードも紹介。(津島令子) ヘアメイク:杉村理恵子 スタイリスト:稲葉江梨