大リーグで見直し論浮上の申告敬遠を日本プロ野球は導入すべきか
大リーグでは試合時間短縮のため来季から投球時間に制限を加える「ピッチ・クロック」の導入が検討されている。日本では、すでに2009年に15秒以内に投球を終了せねばならない「15秒ルール」を導入しているが、大リーグでは、ルールブックには明記されているものの実際は守られておらず、選手会の反対もあって、厳格な投球の時間制限は、ここまで採用されていなかった。 マイナーリーグなどでは導入されているが、機構サイドは「20秒ルール」を導入したい方向だという。 同記事では「ピッチ・クロックが導入されれば、試合時間短縮に申告敬遠のルールよりも遥かに大きな影響を与える。現場やファンの議論は呼ぶだろうが、ピッチ・クロックが成功すれば(試合時間短縮に大きな効果のない)敬遠四球の投球を復活させることができるかもしれない」と、今後「申告敬遠」が見直される可能性があることを示唆した。 NPBは、ここまで、本塁でのクロスプレー時におけるコリジョンルール、併殺崩しの危険な行為の禁止ルール、来季からはリプレー映像による抗議権など、次から次へと大リーグに“右に倣え”のルール改正を行ってきた。だが、大リーグでさえ1年で見直し議論が起きているような「申告敬遠」のルールを活発な議論を行うことなく“追っかけ導入”していいものだろうか。 元千葉ロッテで独自理論に定評のある評論家の里崎智也氏は、「現場、選手側からすれば、導入することにデメリットのまったくないルールです。一方、ファンの側からすればメリットのないルールですね。ただ導入理由が時間短縮であれば、その効果は薄いと見ています」という意見だ。 「投手、捕手、監督、コーチら現場の立場からすれば、万が一の暴投やボークというリスクを回避できます。外国人投手などで敬遠が不得意な選手はいます。厳密に言えば4球を削減できるのでトータルの球数にも少しですが影響しますね。ただ見る側には、もしかしたら何か起きるのではないか?というドラマ性やドキドキ感がなくなるデメリットが生じます。でも、考えてみれば、長いプロ野球の中で敬遠暴投や四球を打つというケースは何度ありましたか?」