秋が合否をわける? 中学受験に順当勝ちするための秋の過ごし方とは?
こんにちは。開成番長こと、個別指導塾テスティー塾長の繁田和貴です。10月になり、小学6年生はここからラストスパートに入っていけるとよい時期ではないでしょうか。 さて、「小学6年生の後半からグッと力を伸ばして逆転合格!」というストーリーは確かに盛り上がりますし、喜びもひとしおかもしれません。しかし、そうしたストーリーは「決して簡単ではないこと」で、だからこそドラマチックなことだということを忘れてはいけません。 多くの受験生は「受かるべくして順当に受かる」か、「落ちるべくして順当に落ちる」かのどちらかです。最後まであきらめずに頑張ることも大事ですが、それ以上に望ましいのは「順当に受かる力」を身につけておくことですよね。 そこで今回は、小学4・5年生の保護者さんに向けて、順当勝ちするための大切なポイントをお話ししようと思います。※繁田さんは開成中学・開成高校を経て、東京大学経済学部を卒業。開成在学時代には数々の逸話を残してきた通称「開成番長」。現在は、個別指導塾TESTEA(テスティー)の塾長として、開成・桜蔭・東大早慶をはじめとする最難関校に数多くの合格者を輩出している。 【グラフ】難関中学校合格者の小6冬の1日の勉強時間は?
5年2学期の単元の「理解」が合否を分ける
順当勝ちするために重要なことは「小学5年2学期で苦手単元を作らないこと」です。これはいろいろなところで言われることなので、もしかしたらもうすでにご存じだったかもしれませんね。「なんだそんなことか」と思わせてしまったら申し訳ありません。 しかし、皆さんが思う以上に、この小学5年の2学期というのは重要なのです。例えば、入試によく出る単元No.1といえば「速さ」なのですが、その派生パターンである「旅人算」、「時計算」、「流水算」、「通過算」、「仕事算」といった単元の数々も怒涛のように攻めてきます。どの単元も基本的な考え方は共通で、相互につながっています。しっかり深掘りして理解すると、似たような単元もまとめて解けるようになります。 とはいえ、表面的な解法パターン暗記の勉強をしていると、似ているだけにどれがどれだかわからなくなり、パニックを起こします。たくさんの解法パターンを覚えなくてはならないのは事実ですが、その解法になる「原理」や「理由」をきちんと理解しないまま暗記しようとしても、なかなか定着につながらず、苦手意識ばかりが募ります。 原理を理解しないまま「暗記算数」をやっている子は、小学4年生の単元だったら「過不足算」、小学5年生の単元だと「割合」が苦手な子が多いようです。もし1学期に習ったこれらの単元が「難しい~」「嫌い~」と言っているようでしたら、小学5年の秋に習う速さ関係はだいたいどれも苦手になるでしょう。一度でも苦手意識を持ってしまうと、立て直しは困難です。