豊かな自然の魅力発信 奄美博物館、東京の動物園で出展 固有種の剥製も展示
鹿児島県の奄美市立奄美博物館は19、20の両日、東京都武蔵野市の井の頭自然文化園のイベント「ヤマネコ祭2024~島にすむ生きものたち」にブース出展し、同園でも保護飼育されているルリカケスなど多種多様な動物たちが生息する奄美の自然の魅力を発信した。 同園では長崎県対馬に生息する絶滅危惧種ツシマヤマネコをはじめ、ルリカケス、アマミトゲネズミなど日本の島しょ部に生息する動物の保護、繁殖、教育普及に取り組んでいる。例年のイベントはヤマネコの保全について紹介する内容だったが、今年は日本の島しょ部に生息する野生生物の保全の取り組みを広く紹介した。 奄美博物館のブースでは、同館が所有するアマミノクロウサギやケナガネズミなど奄美の固有種の珍しい剥製を展示したほか、木板に描かれたルリカケスなどを完成させるパズルや動物たちの多彩な写真などを、次々と訪れる親子連れらに楽しんでもらった。 動物好きだという小学6年生と中学2年生の娘たちと一緒にイベントに参加した田中麻美子さん=東京都港区=は「20年ほど前に一度だけ奄美大島を旅行したことがあり、娘たちには奄美の自然にも興味を持ってほしくて参加した。いつか島に連れて行きたい」と話していた。 奄美博物館の平城達哉学芸員は各島のトークコーナーで、アマミノクロウサギのふんだけを食べて生きる昆虫、マルダイコクコガネを写真で紹介し、「アマミノクロウサギを守ることはこうした小さな昆虫が生きることにもつながる」と、生態系全体を見る大切さなどを伝えていた。 会場では奄美市紬観光課が同時に、かしゃ餅や黒糖ドーナツなどを販売したほか、パンフレットなどで奄美をPRした。
奄美の南海日日新聞