コーチのような視点も持ちながら愛鷹亮と戦ったジョシュ・バーネット

＜GLEAT：後楽園大会＞◇9日◇東京・後楽園ホール 　UFCでも活躍した“蒼い瞳のケンシロウ”こと総合格闘家／プロレスラーのジョシュ・バーネット（46）が、立ち技打撃格闘技K－1の重量級で活躍し、プロレスラーに転向後の10月からGLEAT所属となった愛鷹亮（34）と「LIDET UWFルール（※）」で激突した。 　試合は「打撃の愛鷹」対「組み技＆寝技のバーネット」という構図となった。バーネットは愛鷹の打撃をかいくぐり、スタンドで組みつくと、力ずくで愛鷹を投げ飛ばしてグラウンドに移行。関節技で愛鷹のロープエスケープを誘う戦法で相手のポイントを削っていった。 　だがバーネットが「UWFルールはロープエスケープがあるから難しいんだ。またスタンドに戻ってしまうから」と話したように、愛鷹は終盤、ポイントを失っても、その後のスタンドでの戦いで強烈な掌底、キックをバーネットにたたきこんだ。さらにブレーンバスターでバーネットを投げ飛ばすパワーも見せた。 　それでも最後はバーネット残り3点、愛鷹残り1点の状態から、バーネットが、かつてUWFで前田日明も使ったニールキック（胴回し回転蹴り）を愛鷹に決めて勝利した。 　バーネットは試合後、リング上で「相手の愛鷹さんは本当に強かった。みなさん、たたえてあげてくれ！」と「愛鷹コール」を要求した。 　続けて「自分のプロレスラーとしての仕事は、このリングに上がって、恐ろしい目をしたどんな相手とでも戦うこと。でもそれと同時に、愛鷹さんやここにいる飯塚（優）さん、彼らのような選手たちがより強くなることに期待しながら対戦することも自分の仕事なんだ」と、指導者のような視点も持ち合わせて試合をしていると説明した。 　さらに「もしかしたら今日は、私を倒すのに十分な力はなかったかもしれない。その力がつくのは明日になるか、1週間後か、1年後か…、それは分からない。でも愛鷹さん、強くなってまた私と戦おう。もしくはタッグパートナーとして私のそばに来てくれ」と呼びかけると会場からは大きな拍手が巻き起こった。 　バーネットは直前には新日本プロレスの道場で臨時コーチとしてボルチン・オレッグやヤングライオンの嘉藤匠馬、村島克哉、安田優虎、永井大貴らを指導。この日のバックステージでも「GLEATもシンニチもノアも、どの団体とか関係なしに、日本のプロレス界全体を大きく、強くしていきたい」と意欲を見せていた。 　※LIDET UWFルール＝勝敗はギブアップ、KO、レフェリーまたはドクターストップ、ポイントアウト、セコンドのタオル投入、反則行為、試合放棄、ノーコンテストで決まる。ポイントは持ち点5点から始まり、ダウン、ロープエスケープでそれぞれ1点減点。時間切れの場合は残ったポイントで勝敗が決まる。