キャスターの鑑・小倉智昭さん逝く【山田美保子氏コラム】
【山田美保子のミホコは見ていた!】 中山美穂さんの急逝に、ファンの皆さんはもちろん、仕事をした多くの関係者らにとってまだ気持ちの整理がつかない日々が続く中、小倉智昭さんの訃報が飛び込んできた。 【写真】菊川怜と在りし日の小倉さん熱い抱擁 とびっきりの笑顔 東京12チャンネル(現、テレビ東京)の局アナや競馬実況、「世界まるごとHOWマッチ」(MBS・TBS系)のナレーション、平日午前の帯番組「ジョーダンじゃない!?」「どうーなってるの!?」(共にフジテレビ)などなど、多くの人気番組が思い出されるが、視聴者にとってはやはり22年間も総合司会を務めた「とくダネ!」(フジテレビ系)の印象が強いだろう。 10日、「めざましテレビ」(同)で軽部真一アナが解説していたのは、それまではワイドショーと呼ばれていた朝ワイドが、「とくダネ!」から「情報番組」と呼ばれるようになったということ。確かに正式タイトルには「情報プレゼンター」というワードが頭に付き、政治をはじめ、世の中のニュース全般を幅広く取り上げたのが「とくダネ!」なのである。 ただ小倉さんは、従来のワイドショー的なことにも理解があったしエンタメ情報にも詳しかった。 もう何年も前になるが、小倉さんに不倫疑惑がもちあがったとき、時代は直撃取材や囲み取材全盛だったため、芸能リポーターや記者らが小倉さんの元へ駆けつけた。 小倉さんは、そんなときも逃げも隠れもせず堂々としていた上、私と同じく裏番組に出演していた芸能リポーターの城下尊之さんを囲みの輪の中に見つけて、一歩進み、「城ちゃん、男だったら、わかるよな~」と味方につけたのである。そういえば、このときの囲みは男性陣ばかり。それも小倉さんにとってはラッキーだったかもしれないが、その場はアッと言う間に和み、不倫疑惑をその後、追及する者はいなかった。 その後、私の“裏かぶり”はなくなり、2018年10月、「とくダネ!」のワンコーナーに出演させてもらったことがある。ネタはコンサートのドタキャン騒動で揺れていた沢田研二についてで、ジュリーのファン代表として呼んでいただいたのだ。 それまでほとんど面識がなかった私の方に顔を向け、「山田さん」とフレンドリーに話しかけてくださり、「ジュリーの魅力って、一言で言うと何だろうね」と聞いてくれた小倉さん。お陰で一気に距離が縮まり、それからの十数分間をテンポ良く楽しく進行できた。 サービス精神旺盛で忖度することなく、本当に優しかった小倉智昭さん。本当にお疲れ様でした。