米大統領選、郵便投票による逆転は今年も起きるのか
接戦なら結果判明に時間要する場合も
それでも勝負が僅差(きんさ)にもつれ込む場合は、やはり決着まで数日を要する可能性がある。 ペンシルベニア州の選管トップを務めるアル・シュミット氏(共和党)は、米公共ラジオNPRとの最近のインタビューで、人々は投票終了後の一定期間、選挙制度を信頼する必要があるとの見解を示した。 「20年、我々は投票所が閉じた投票日の午後8時から結果が判定されるまでの期間を不安定な時期と見なしていた。人々は結果に対する信頼を損ねようとしていた」と、シュミット氏は振り返る。その上で、最終的に全ての票を集計した後、ペンシルベニア州の結果はそこまで競ってはいなかったと指摘した。 接戦の場合は時間がかかることもある。00年大統領選を覚えている年代の人なら、誰もがそう断言できる。この時はフロリダ州で接戦が繰り広げられたが、パンチカード式の投票用紙を使用した仕組みに不備が発覚。パンチが不完全だった一部の投票用紙を巡って論争が巻き起こった。 この年の選挙結果は、確定するまで1カ月以上かかった。36日後、連邦最高裁がフロリダ州での一部の再集計を停止させ、実質的にジョージ・W・ブッシュ氏を勝者とした。当時のゴア副大統領は12月13日に敗北を認めた。自身が敗れた大統領選で選挙人票の集計を監督した副大統領は、ゴア氏を含めて過去に3人しかいない。民主党候補のハリス副大統領は4人目になる可能性がある。逆に自らの勝利を監督することになるとすれば、副大統領時代のジョージ・H・W・ブッシュ氏以来のケースだ。 24年大統領選で誰が勝つのか誰にも分からないのと同様、勝者が確定するまでどれだけの時間がかかるのかも、完全には明らかではない。 ◇ 本稿はCNNのザカリー・B・ウルフ記者の分析記事です。