離島の特別支援教育拡充へ 奄美、屋久島と県本土結びオンライン交流会
全国障害者問題研究会鹿児島支部主催の「離島の特別支援教育を語りつながる大交流会2024」が19日、鹿児島県内5離島などで開催された。奄美群島からは喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島から参加があり、徳之島会場の徳之島町役場では学校関係者や保護者など26人(オンライン含む)が出席。離島でも十分な特別支援教育が受けられる環境の構築を目指し、各島の現状や課題について意見を交わした。 オンライン交流会は22年に初開催。第1回の交流会で離島間の連携強化を目的としたプロジェクトチーム「離島にこそINCLUSIVE(あたりまえの)教育を!ミーティング」(略称・離島ミーティング)を立ち上げ、県内離島での特別支援教育の拡充に取り組んでいる。 今回の交流会には県本土と屋久島、奄美群島4島などから約100人がオンラインで参加。離島ミーティングや「屋久島の特別支援や分教室等を考える会」の成果報告や意見交換があった。 徳之島会場では、島内の知的支援学級に通う子どもの保護者が「保育所から一緒の友達が学校にいるおかげで子どもも安心して過ごしている」との報告があった一方で、他の保護者からは「中学までは島内で通学できると思うがその後の進路を考えると不安」との声も上がった。 交流会初参加の3児の母親(30代)は「普段は子育てと介護に追われ、相談できる相手もいないので、共通の悩みを持つ人たちの話が聞けて良かった。特に屋久島の人たちが長年行政に働き掛けて成果を出したことには勇気づけられた」と述べた。 徳之島会場の世話人を務めた亀津小学校の勇富久代教諭は「支援員の待遇改善やコーディネーターとの連携など前回までに出た要望も少しずつ実現できている」と手応えを示し、「交流会も3回目となり、新たに養育施設や教育委員会の関係者も加わり参加人数も増えた。今後は地域主導の活動に移行して息の長い支援が可能な体制への移行を目指したい」と展望を語った。