トランプ氏当選にケントさん「民主党への怒りの表れ」 パックンさんは「この結果に怒り」
米大統領選で勝利した共和党のトランプ前大統領(78)による本格的な政権移行がスタートし、その挙動に世界の注目が集まっている。だが、返り咲きが実現した「またトラ」に対する評価はさまざまだ。ともに米国出身で日本で活動している、米カリフォルニア州弁護士のケント・ギルバートさんとお笑いコンビ「パックンマックン」のパックンとして知られるパトリック・ハーランさんに話を聞いた。 【世界地図でみる】トランプ氏復帰、世界中が注視 ウクライナへの軍事支援に変化も 中国「不確実性増す」 ■ケントさん「荒れた米国立て直すはず」 トランプ氏が敗れた州でもハリス氏との差はわずかで、民主党の非常識な政策に国民の怒りが表れたと感じる。 バイデン政権がメキシコとの国境を開放した結果、不法移民が大量に流入した。インフレも悪化の一途をたどった結果、製造業を中心に新規雇用は大きく減少した。 トランプ政権は荒れてしまったアメリカを立て直してくれるだろう。国境封鎖による不法移民の流入阻止や減税政策はもちろん、中国による台湾への軍事干渉阻止へ向けても動いてほしい。 日本を含め諸外国には関税引き上げを明言しているが、日米間には自由貿易協定があり、大きな影響は受けないのではないか。ただ、安倍晋三元首相のようにトランプ氏と細部まで話し合える政治家が日本にいないことが懸念点だ。 ■パックンさん「移民強制送還に反発も」 半分以上の国民がトランプ氏に票を投じたことに怒りを覚えている。前大統領任期中に「1度も戦争が起きていない」と主張しているが、ロシアのウクライナ侵略や中東のパレスチナ問題の引き金になったのはトランプ氏だ。 トランプ政権がまず取り組むのは移民政策だろう。当面は、バイデン政権が終盤に打ち出した国境強化策を引き継ぐとみられる。しかし、移民の中には建設業など重要な職業に就いている人も多い。彼らを一斉に強制送還することは困難だし、反発も起こるだろう。 日本に対しては、為替に介入して円高を促し、関税引き上げや在日米軍の駐留経費負担の増額にも着手するとみられる。また、北朝鮮やロシアなどに対し、融和的な姿勢を示すことも懸念され、課題は多そうだ。(聞き手 宮崎秀太)