2025年を見据えたF1ドライバー”移籍バトル”……ハミルトンが引いた引き金を、次に動かすのは誰か?
サインツJr.はどうする?
去就が注目されるもうひとりのドライバーはカルロス・サインツJr.である。サインツJr.は、ハミルトンがフェラーリ入りをしたことで、来季のシートを失うことになった。 しかし彼に対する評価は高く、2026年からF1にワークス参戦するアウディのドライバーの最有力候補ともみなされてきており、フェラーリとの契約終了が決まった今なら、その可能性はさらに高まったと言えよう。 「開幕戦の前に、自分の将来を整理したいと言ってきた。でもご想像のとおり、このシナリオはかなり変わった」 「おそらく、期待していたよりももっと長いプロセスになるだろう。おそらく僕のキャリアの中で、最も重要な3年から4年が、この先に待っているはずだ。その時に僕が正しい位置にいることを確実にしたい」 「次の目的地が、自分にとって正しいモノであることを確かにしたい。だから時間をかけて考え、全ての選択肢に耳を傾け、その全ての選択肢を検討するつもりだ。十分な時間と十分な情報を自分に与えれば、安心して決断を下すことができるようになるはずだ」 「そうは言っても、ふたつのことを区別することができると思う。僕には、そういうことに気を配ってくれる優れたマネジメント陣がいる。だから今の僕は、バーレーンでの開幕戦に集中することになる」 「僕はできる限り力強い形でシーズンをスタートし、最初から速く走れるようにすることに全力を尽くすつもりだ。他のことは、時間が経つにつれて自然に解決されるだろう」 ■ペレスはシートを守るために、戦わなければいけない ペレスも、フェルスタッペンには差をつけられているとはいえ、他のチームからすれば魅力的なドライバーである。しかし彼にとっての最優先事項は、レッドブルのシートを守ることだ。 「ほとんどのドライバーは、今年のかなり早い段階で将来を確保したいと思っているだろうね」 そうペレスは言う。 「しかし、それはそれぞれの人のアプローチにすぎない。僕としては、素晴らしい1年を過ごすことだけに集中している。残りの部分は、他の人たちがやってくれるんだ」 「コース上でパフォーマンスしている限り、残りの部分が常に重要になってくる。だから、あまり気にしていない。僕にとってはF1で14年目のシーズンだ。そして主な目標は、コース上でうまく立ち回ることだけだ」 「この仕事に長く携わっていると、それがどうやって機能するかが分かる。そして、それについてはあまり気にしていないし、それを楽しむことができることを確実にしたいだけだ。まずはたくさん楽しんで、モチベーションを高めていく。そうすれば、残りはうまくいくもんだ」 21日からF1のプレシーズンテストがバーレーンで始まる。勢力図も、徐々に明らかになっていくだろう。まだ2024年のマシンが本格的に走り出す前にも関わらず、多くの注目がその将来に向けられている
Adam Cooper