レシートアートで熊野描く 現代美術家VIKIさん実演 12月28日、和歌山県田辺市
現代美術家VIKI(ヴィキ)さんによる「レシートアート」のパフォーマンスが12月28日、和歌山県田辺市新屋敷町の紀南文化会館である。感熱紙であるレシートを素材に熱を発するもので描くという独自画法で、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」登録20周年を記念して「熊野の再生と祈り」をテーマに作品を制作する。 【新宮紀宝道路が開通へ 12月7日、和歌山と三重の県境の記事はこちら】 白浜町日置出身で、VIKIさんとエージェント契約を結んでいる会社の代表を務める鈴木博文さん(58)=大阪府高槻市=が実行委員長を務める実行委員会が開く。 VIKIさんは「不要なレシートに詰まっている記憶をリサイクルしたい」との思いで独自の画法を確立し、制作に取り組んでいる。東京芸術大学在学中にカリキュラムの一環で熊野に2週間ほど滞在した経験があり、今夏にも再訪。パフォーマンスの当日は約1200枚のレシートを集めて作った縦約1・5メートル、横約2・1メートルのキャンバスに作品を描く予定で、完成後は熊野本宮大社に奉納したいという。 会場は紀南文化会館展示ホール。時間は午前10時~午後6時で入場無料。VIKIさんによるレシートアートのパフォーマンスと作品の展示販売などがある。売り上げの一部については熊野古道の維持管理のために田辺市に寄付する予定。 ■滝尻茶屋に作品展示 不要レシートの募集も 実行委では今回のイベントを盛り上げようと、田辺市中辺路町栗栖川、「熊野三山の聖域の入り口」とされる熊野古道・滝尻王子のそばにある「滝尻茶屋むすひ」に、VIKIさんの作品を展示している。同市やその周辺で使われたレシート約150枚を使って制作しており、大きさは約1メートル四方。離れて見るとモナリザが浮かび上がる。 また、作品の素材となる不要なレシートの提供も呼びかけている。今のところ、滝尻茶屋むすひや紀南文化会館、JR紀伊田辺駅前にある「田辺エンプラス」など約20カ所に回収ボックスを設置。鈴木実行委員長は「地域住民が主体的に参加していただけたら大変ありがたい」と話している。 不要レシートの回収ボックスの設置場所はホームページ(https://momath.co.jp/)で紹介している。
紀伊民報