Penthouse浪岡「日本だと厳しいと思って…」ハードロックから現在の音楽性に転向した理由とは?
◆コロナ禍のコミュニケーションで生まれた楽曲
こっちのけんと:(2021年に8枚目のシングル)「...恋に落ちたら」はどうやって生まれたんですか? 浪岡:コロナ禍で全然人と喋れなかったんですけど、大学の友達と「Discord(ディスコード)」というトークアプリで夜な夜な通話することにハマっていたんです。そのときに恋バナになって、「恋に落ちたら順風満帆なんだけどな」みたいな、いいワードがいっぱい出たんです。 こっちのけんと:なるほど! 浪岡:それを歌詞にしちゃうおうと思って作った曲です。当時のPenthouseは、もうちょっと洋楽寄りの曲ばかりをやっていたので、こういうポップな曲をやるのは違うかなと思っていたのですが、一応作ったから共有ドライブに入れていたんです。そうしたら、J-POPが好きなベースの大原(拓真)さんから「この曲やろうよ!」みたいなことを言われたんです。 こっちのけんと:すごい! コロナ禍にDiscordで話していたからこそできた曲だったんですね。ちなみに、この楽曲を作った当時はどんな曲が好きだったんですか? 浪岡:洋楽が好きなので基本は洋楽ですが、そのなかで(アメリカ・ニューヨーク発の兄妹バンド)「Lawrence(ローレンス)」を聴いていました。ローレンスはツインボーカルなんです。 こっちのけんと:なるほど! Penthouseを始めたことで、ハードロックから方向転換してバンドメンバーの意向もいろいろ加えたわけですよね。気持ちの変化もめっちゃあったんじゃないですか? 浪岡:ありましたね。ただ、ハードロックに比べてできることが多くなったんですよね。 こっちのけんと:そういう発想なんですね! 浪岡:J-POPってけっこうジャンルが自由なので、「やってみたいことはとにかくやろう!」みたいな気持ちだったと思います。 こっちのけんと:個人的な話ですが、曲のタイトルを付ける作業って、めっちゃ腰の重い作業なんです。「...恋に落ちたら」は、前に点々(…)があるじゃないですか。なんで付けようと思ったのですか? 浪岡:Crystal Kayさんの曲で「恋におちたら」がありますよね。それで何か変化をつけたいなと思ったのですが、「曲名は『恋に落ちたら』以外にないよな」とも思ったんです。それで「...」を付けたっていうのもありますし、歌詞の雰囲気的にベタな恋愛でもないなとも思ったんです。 こっちのけんと:たしかに。 浪岡:前向きでも後ろ向きのでもない、ちょっと葛藤がある歌詞でもあるから「...」ぐらいがちょうどいいんじゃないかと思いました。 こっちのけんと:しかも、前に「...」をつけることでポジティブになるんですよね。 浪岡:歌詞的にも最後はちょっと前向きになって終わりますから、いい解釈ですね。