AIエンジニア安野貴博さん、都知事選へ AIで「やさしい東京」実現訴え
AIエンジニア兼SF作家の安野貴博氏は2024年6月6日、東京都庁で記者会見し、都知事選への出馬を表明した。
AIエンジニア兼SF作家の安野貴博氏は2024年6月6日、東京都庁で記者会見し、都知事選への出馬を表明した。 AIを活用して「やさしい東京」を目指す 同氏の政策は「テクノロジーで誰も取り残さない東京にアップデートする」というもの。内容は主に以下の3点だ。 ●暮らしのアップデート (先輩世代/未来世代) ・自動運転の積極的な解禁により、交通弱者となりやすい中高年世代の暮らしをサポート ・サイバー犯罪やネット上の暴言対策を通じ、誰もが安心してテクノロジーに触れられる環境を構築 ・デジタルを活用した防災対策 ●経済のアップデート (現役世代) ・規制緩和や支援策を導入し、テクノロジーを使った新産業立ち上げを推進 ●政治のアップデート (行政/民主主義) ・ネット選挙の解禁 ・選挙以外のタイミングでもタイムリーに民意を反映できるよう、新しい投票システムを導入 さらに選挙期間中には、次の取り組みも実施する。 ●直接投票データの結果をマニフェストに反映 ・選挙期間中、他の事業者が実施する政策電子投票の結果を分析し、マニフェストに柔軟に取り込む ●政策のオープンソース化 ・ソフトウェア開発でおなじみの「GitHub」で政策を管理し、誰でも変更を提案(プルリクエスト)できる仕組みを用意 ●AIタウンミーティングをYouTube Live上で実施 ・選挙期間中、同氏の政策を学習させたAIが有権者の質問に24時間体制で回答するYouTube Liveを実施 選挙期間中、安野氏がキャンペーンで使用したプログラムは、選挙 終了後にオープンソースで公開予定。同氏は「(プログラムの公開により)今後のあらゆる選挙で、誰でも私と同じようなキャンペーンをすることができるようになります。こうした試みを通じて、選挙のやり方それ自体もより有意義なものになるようアップデートされるはずです」と述べている。 安野貴博氏は、AI研究で知られる東京大学松尾研究室出身のAIエンジニア。卒業後はボストン・コンサルティング・グループへの勤務を経て独立し、複数の企業の創業に携わる一方、SF作家としても活動。2021年には、同氏が執筆したSF小説『サーキット・スイッチャー』が第9回ハヤカワSFコンテスト優秀賞を受賞している。 文● ASCII