【サンタクロース】モデルとなった人物の怖すぎる伝説。殺されて塩漬けにされた3人の少年をどうやって救った?
クリスマスイブに子ども達にプレゼントを配ってくれるというサンタクロース。モデルとなった人物が存在するのをご存じでしょうか。 【画像を見る】殺されて塩漬けにされた3人の少年を聖ニコラウスが救出するシーン 子どもたちの聖人となった彼には怖すぎる伝説があるのです。クリスマスを迎えるのを機に振り返ります。
聖ニコラウスの元々のエピソードは「3人の将軍の命を救った」というものだった
サンタクロースのモデルとなったと言われる人物は、4世紀ごろのローマ帝国に実在したというキリスト教の聖人「聖ニコラウス」です。現在のトルコ領に当たるアナトリア半島の古代都市ミュラで、大司教を務めていたと言われています。 文化人類学者の大串紀代子さんの2002年の論文「サンタクロースの系譜」によると、無実の罪で死刑を宣告され、あやうく処刑されかかった3人の将軍達の命を助けたというエピソードが、聖ニコラウスの存命中に成立したとみられているそうです。(現存するのは5世紀のもの) それはこんな内容でした。この論文から要約しましょう。 「コンスタンティン帝の命を受けた3人の将軍は、暴風のためミュラの隣町、アンドリアケに漂着した」 「3人の将軍は、買収された総督が3人の無実の騎士を死刑に処する場に遭遇した。刀が振りおろされそうになっていたが、聖ニコラウスが無実の騎士を助けた」 「3人の将軍は勝利をおさめて帰国したが、今度は自分達が誹謗中傷の結果、捕らえられてしまった」 「死刑になりそうだった3人の将軍はミュラでの事件を思いだして、密かに聖ニコラウスに祈った。その夜のうちに聖ニコラウスは皇帝の夢に現れて非難したしたことで、皇帝は将軍達を赦した」 このエピソードが元となり、聖ニコラウスは無実の罪に捕らえられたり、処刑されそうな人々の守護者となったそうです。
サンタクロースの原型になったとも言われる「3人の娘」の話とは?
数々の伝説が生まれて西欧に伝わっていく中で特に決定版となった書物があります。13世紀のイタリアでジェノバの大司教を務めていたヤコブス・デ・ウォラギネの著書『黄金伝説』です。 数々の聖人の生涯を描いたこの著作の中で聖ニコラウスは「3人の将軍」のエピソードに加えて「3人の娘」というエピソードも書かれています。『黄金伝説 I』(平凡社ライブラリー)から要約しましょう。 「聖ニコラウスの近所の家は、もともとは貴族だったが没落していた。3人の娘に売春をさせて生計を立てようとしていた」 「それを知った聖ニコラウスは金塊を布に包み、夜ひそかに隣人の家の窓に金塊を投げ入れた」 「隣人は神に感謝し、その金で長女の結婚式を挙げた。その後も金塊が投げ込まれてることが相次ぎ、隣人は追跡してついに聖ニコラウスがやっていたことを知る」 困窮した家に金塊をプレゼントをする……というこのエピソードが、「サンタクロースのプレゼント」の原型になったとも言われています。