京都「芸術の美に触れる展覧会」七宝、かんざし、蒔絵…思わず見とれる夏の展示3選
精巧な作風で知られる「加賀蒔絵」。金沢の工芸品・加賀手毬をモチーフに作られた、二木成抱(ふたぎせいほう)の《手毬蒔絵香合(こうごう)》も公開。可憐な花模様の上に張られた糸が歪みがなく描かれている部分も見どころです。 「加賀蒔絵と京蒔絵」 会場/清水三年坂美術館 京都市東山区清水寺門前産寧坂北入清水3丁目 337-1 会期/~2024年9月1日 開館時間/10時~17時(入館は16時30分まで) 休館日/月・火曜(祝日開館) 入館料/一般1,000円、大学・高校・中学生600円、小学生300円
3.並河靖之七宝記念館「2024年度 春季特別展 並河七宝 ―百年の時を越えて―」
金属の表面に金属線を貼り付けて図柄を描き、ガラス質の釉薬をのせて焼き付ける工芸品・七宝(しっぽう)。明治・大正時代に活躍した七宝家・並河靖之が住宅兼工房としていた旧邸(国登録有形文化財)を、2003年に並河靖之七宝記念館として開館しました。現在「2024年度 春季特別展 並河七宝 ―百年の時を越えて―」を開催中です。
江戸時代に日本へ伝来したとされる七宝の技術は、明治時代から透明度の高い釉薬が開発されるなど技術が向上し、その美しさから日本を代表する美術工芸品へと発展しました。これらの発展の立役者とされる並河靖之は、帝室技芸員を受け、パリ万博博覧会など国内外で数多くの受賞歴を残しています。 同展では代表作とされる《藤草花文花瓶》や《芙蓉撫子蝶文水注(ふようなでしこちょうもんすいちゅう)》など、黒ベースの作品を集めたコーナーが設けられています。ほかにも青色の背景に細かな藤が描かれた《藤蝶文大花瓶》や、平安神宮や平等院、金閣寺など京都の寺社を描いた作品もお楽しみください。 「2024年度 春季特別展 並河七宝 ―百年の時を越えて―」 会場/並河靖之七宝記念館 京都市東山区三条通北裏白川筋東入堀池町388-2 会期/~2024年7月21日 開館時間/10時~16時30分(入館は16時まで) 休館日/月・木曜(祝日の場合、翌日) 入館料/一般1,000円