恋人2人が経営する歌舞伎町の「夜パフェ専門店」 今も繁盛する納得の理由
和志「違う?」 玄太「うーん、何でしょうね」 和志「わからないのに否定するんだ(笑)」 数年が経ち、ウイルス騒動がほぼ終息した現在。人々の生活や行動も、飲食店の営業も、以前に戻っている。ロイトシロも、かつてのようににぎわいを取り戻している。改めて、「みんなが集まって笑顔になれる場所」の大切さを、2人はエピソードを交えながら語る。 玄太「お父さんやお母さんを連れてきてくださる方がめっちゃ多いんです。ご家族に紹介したいお店だと思ってもらえたのはうれしいですね。妊婦さんが来られて、しばらく経って、お子さんと一緒に来てくれたこともありました」
和志「高校生のころから来ていた子に、『就職したんです』って言われたのもすごくうれしかった。勝手に成長を見守っていますね」 お客さんのなかには、コミュニケーションが苦手だったり、職場や学校に馴染めていなかったりと、人間関係に悩みを抱えている人も少なくないのだと和志さん。けれど、ロイトシロに来ると生き生きとし、周囲の人たちと楽しそうに話したり、友達ができたりする人もいるという。 営業時間は通常は夜間だが、日曜のみ昼営業をしている。その理由は、昼にしか来られない人もいるから。居場所として必要としてくれる人に、できるだけ開放したい思いがあるのだ。「昼営業の売り上げはあまり良くないんですけど、止めたくない。ずっとやっていきたいんです」と和志さんは言葉に力を込めた。
ロイトシロという店名は、『タンタンタンゴはパパふたり』という絵本に登場する、同性のペンギンのカップル「ロイ」と「シロ」が由来だ。ペンギンたちを、同じく同性のカップルである自分たちと重ねたのだった。 人気店ゆえに、ロイトシロはたくさん取材も受けており、「ゲイカップルが営む夜パフェ専門店」という風に紹介されることも少なくない。人によっては、ことさら「ゲイカップル」と強調されるのを好まない場合もあるだろうが、2人はあまり気にしていないようだ。