アウディF1、マクラーレン育成のボルトレト獲得を狙う? 本人は驚き「名前が挙がって光栄」
2026年からアウディのワークス・チームとなるザウバー。すでにニコ・ヒュルケンベルグの起用を決めているが、そのチームメイト候補にガブリエル・ボルトレトの名前が挙がってきている。 【動画】ブラッド・ピット主演のF1映画、2025年の公開を前にティザー映像が先行配信 当初、ザウバー/アウディはフェラーリ離脱が決まっていたカルロス・サインツJr.の獲得を目指していた。ヒュルケンベルグとサインツJr.の実績あるコンビで、F1プロジェクトのスタートダッシュを決めようと考えていたのだ。 しかし、サインツJr.はウイリアムズへの移籍を決定。彼に代わるドライバーの候補としては、現在チームに所属しているバルテリ・ボッタスの名前が挙がっているようだったが、ここにきてルーキーがシート争いに加わったようだ。 その候補とされているのがガブリエル・ボルトレトだ。ブラジル出身の彼は2023年のFIA F3王者であり、今季のFIA F2にはインヴィクタ・レーシングから参戦しランキング2番手と、F1昇格の素質は十分だ。 ただ彼は2023年にマクラーレンの育成プログラムに加入しており、夏休み前のF1ベルギーGPでは彼のマネジメントチームがマクラーレンと話をしていたことも分かっている。 そんな状況の中、一部報道で自分の名前が挙がったことにボルトレトはかなり驚いたという。 「僕に聞いてきたみんなに同じことを言うつもりだよ。だってそれが真実だし、他に言うことがあればハッピーだからね。誓うよ」 「目が覚めて、携帯電話を開いていくつかの通知を受け取り、そのニュースを知った時は驚いたよ」 「まだ早い時間だったんだ。僕の記憶が間違っていなければ、ブラジルの朝5時だったと思うんだけど、イタリアのウェブサイトでそのニュースが出たんだ。そして、ブラジルの人々が目を覚まし始め、記事に掲載され始めた」 「クールだと思うよ。ビノット(マッティア・ビノット/アウディのF1プロジェクト責任者)がインタビューに応えて、僕の名前を挙げたんだと思うけど、F1にいる人たちに自分の名前を出してもらうのはいいことだと思う。だって、最終的にはそこにたどり着きたいんだから」 一方で、ボルトレトはマクラーレンとの関係にも言及。マクラーレンはランド・ノリス、オスカー・ピアストリ共に複数年契約を結んでいるため、すぐにF1シートが空くような状況にはないものの、「自分の成功を望んでくれている」と語った。 「でも、僕はマクラーレンと契約しているし、彼らのジュニアドライバーだ。長期契約も結んでいる。マクラーレンが僕の成功を望んでいて、僕をF1で見たいと思っていることも確かだ」 「彼らには2人の優秀なドライバー(ノリスとピアストリ)がいる。彼らは僕がF1に進む準備を整え、いつの日か彼らのドライバーになる準備をしてくれているんだ。それが僕の夢だからね」 「でも、未来がどうなるか見てみよう。F1に上がる準備ができている状況で、僕はF2で最高の仕事をしていると言える」 もしアウディのF1シートが得られる状況になったとしても、マクラーレンがそれを許可しなければ、それは実現しないだろう。契約の状況について聞かれたボルトレトは次のように答えている。 「その決断を下すのは明らかにドライバーである僕だし、どこに行きたいかは僕が決めることだと思う。A14マネジメント(フェルナンド・アロンソが設立したドライバーマネジメント会社)やマクラーレンと一緒にね」 「契約上の問題については明かせない。でも言えるのは、マクラーレンは僕の成功を望んでいるということだ。彼らは、僕がこのスポーツで成功しないような状況に僕を閉じ込めたくないんだ。でも、マクラーレンはたくさんのカテゴリーに参戦しているし、いろいろなことがあるから、彼らは常に僕をマクラーレンの傘下に置いておきたいと考えているのは明らかだ。でも、彼らは僕が一番大きなカテゴリーで成功するのを見たいんだ」 来季はハースがオリバー・ベアマンの起用を決めており、アルピーヌもジャック・ドゥーハンを昇格させるのではないかと見られている。メルセデスもアンドレア・キミ・アントネッリをルイス・ハミルトンの後任に据えるのではないかと考えられている。 さらにRBもダニエル・リカルドに代えて、リアム・ローソンを起用する可能性があるだろう。2025年はルーキーがいなかった2024年よりもはるかにルーキーに優しい環境となるかもしれない。 そうした中でボルトレトは、「今はどんなオファーが来ても、それを受けるしかない」と語った。 「今はリザーブドライバーだったりテストドライバーだったり、多くの選択肢があって多くのチャンスがある。もし(F1の)リザーブドライバーになりたくて、自分がF2やF3で勝っているならどのチームを選んでもいいだろう。そのチームがすでに若手をその役割に起用していなければね。でも、普通は常にポジションが空いているものなんだ」 「今は、来たオファーの中から選ぶ必要がある。そのポジションがいつまで空いているかわからないし、何十人もの人がそこに入りたがっているからね」 「でも、チームに加わるチャンスがあるのは、片手で数えられるくらいだよ」
松本 和己
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