BMWアルピナ新型「B3 GT」にドイツ本国で試乗! 1年かけてプログラミングし直したコンピュータは変化を感じさせない絶品の仕上がりでした
変わった印象がないのは成功の証か
ピットで足まわりと電子制御を担当するトビアス・ウィーガーに話を聞いた。彼いわく物理的な変更以外に、10人のチームで1年をかけてコンピュータのプログラミングをやり直しているという。エンジン以外にも、AT、センターデフ、リアデフ、ダンパー、DSC等のセッティングを変更するだけで全く違ったクルマに仕上がるとのこと。だからある特定の箇所に「変わった!」という印象がないのは当然なのかもしれない。 「我々の仕事はベースモデルの特性を活かしてアルピナらしさを追求すること。アルピナらしさとはドライバーの心拍数を上げず、快適な長距離移動を可能にすることです」 とトビアス。一方、試乗会に同席していたピレリのエンジニアにアルピナの良さを尋ねると、意外な答えが返ってきた。 「ニュルでテストしないことだよ(笑)! 実際には最終確認で走らせることもあるみたいだけれど、でも彼らは基本的に公道やBMWのテストコースで開発している。実際にクルマが使われるのと同じシチュエーションでテストしているから快適なのは当たり前さ。今回装着されているピレリはB3と同じもの。アルピナ専用タイヤの構造はベリースペシャルだけど開発自体は難しくない。前後別々サイズで専用設計になっているから狙いを絞りやすいんだ」 一方のB3 GTツーリングも同じようにサーキットで試したのだが、ボディ形状の違いからくるリアの違和感が微塵も感じられない点はさすがだった。足まわりのセッティングは別物らしいのだが、ドライブフィールはリムジンのそれに近い。最終モデルでもその仕事はこれまで通り。ファンの期待を裏切ることのない完成度だったのである。
試乗車の諸元
BMW ALPINA B3 GT Limousine BMW ALPINA B3 GT Touring 車両価格(消費税込):B3 GT Limousine(左ハンドル)1600万円/(右ハンドル)1630万円、B3 GT Touring(右ハンドル):1670万円 ・全長:4725mm ・全幅:1827mm ・全高:1440mm(Limousine)/1438mm(Touring) ・ホイールベース:2851mm ・車両重量:1875kg(Limousine)/1945kg(Touring) ・シリンダー/過給機:直列6気筒/ビ・ターボ ・総排気量:2993cc ・最高出力:389kW(529ps) ・最大トルク:730Nm(74.4kg-m) ・トランスミッション:アルピナ・スウィッチ・トロニック付き8速スポーツ・オートマチック ・0-100km/h加速:3.4秒(Limousine)/3.5秒(Touring) ・巡航最高速度:308km/h(Limousine)/305km/h(Touring) ・ラゲッジ容量:480L(Limousine)/500~1510L(Touring) ・タイヤ:(前)255/35 ZR20、(後)265/30 ZR20
吉田拓生(YOSHIDA Takuo)
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