「第3次自動販売機ブーム」到来!生粋のマニアになんでも聞いてみた「エンタメ性が付与された」「自走式自販機も実験している」
■次々登場!新ジャンルの販売機
―なぜここまで自動販売機に惹かれたのか。 見た目のかわいさが一つある。真っ赤や真っ白、真っ青など本当に単純な自動販売機を想像すると思うが、ご当地キャラクター柄にラッピングされていたり、そういったところもかわいい。置かれている佇まい、シチュエーションもだ。だだっ広いところに1台だけポツンと置かれているところに、寂しさというか侘しさにグッと来る。 ―販売できないものは。 生肉はさすがにダメだと思う。冷凍してあればOKで、冷凍の刺身の自販機もある。 ―自販機がインフラ的になっている時もある。 災害救援ベンダーというものがあり、災害時に飲み物を無料で取り出せるようになっている。自動販売機にハンドルが付いていて、それをぐるぐる回すと発電ができるものもある。 ―薬はどう売るか。 一時期実証実験で新宿駅に置かれた。カメラがついていて、薬を買う時に薬剤師がカメラで繋がってOKを出すと売れる。実験が終わって、今実用化に向けて着々と準備している。離島などは非常に便利だ。 ―今後への提案は。 自分で中身が選べる自販機があったらいい。例えばお弁当の自販機なら、おかずを20個、30個の中から選んで、自分でカスタマイズできるものがあればいいなと思う。ただ温かいものを中に入れないといけないという衛生上の問題と、種類が増えれば増えるほど自動販売機が大きくなるので、なかなか実現するのは難しい。 ―自動販売機の値段は。台数は減少傾向にある。 買うと数百万円する。日本全国には自動販売機と呼ばれるものは400万台ある。(減少の)一番の理由は、採算が取れない自動販売機を今どんどん撤去している。今まではとにかく置けるところに置けという感じで、どんどん置いていた。ただ結局ここの自動販売機は売れないとか、自動販売機自体が古くなって、撤去を進めて今に至る。自動販売機自体が衰退したというよりは、単純に量から質の方にシフトしている。 ―利用者は男性が多いのか。 男性の方が多い。 ―物は何が売れているのか。 缶コーヒーが売り上げのトップ。缶コーヒーは男性が飲むイメージがある。 ―たまにある飲み物「一律100円」は企業努力なのか。 自販機側が飲み物を大量購入して安く売るとか、独自のルートで仕入れて安く売るとか、そういったケースがある。 ―日本の自動販売機を海外に輸出することはあるのか。 一応各国に輸出しているが、外に置くと持っていかれてしまう。壊せば現金も商品も取られてしまう。日本の治安の良さがあってこその自動販売機文化というのが、私の卒論の結論だった。 ―自動販売機の補充、労働は。 自動販売機業界全体の課題だ。まず飲み物自体が重い、事業所でトラックに積むのも大変。どこの自動販売機に何本缶ジュースを補充しなければいけないかなどがある。今はオンライン(管理)が出てきているが、まだ手動の部分はたくさん残っていて、ただ1回自動販売機まで行って、中を開けて、どれだけ足りないかを見て、もう一回戻って持ってきて、というのが大変だ。これをオンライン化して、事業所から持っていく時点でも適正な本数だけ持っていこうという流れが今どんどん進んでいる。 ―ユーザー側のデジタル化は何が進んでいるのか。 AIが分析するカメラがついている自動販売機がある。カメラの前を通る人の流れや、あるいはその中の商品の賞味期限を分析して、今なら安くした方が売れるだろうと、ダイナミックプライスにしてくれる自動販売機も出てきている。また防犯でも「見守り自販機」が出てきて、飲み物の1つがカメラになっている。また夜道を照らすのも防犯になっている。 ―女性層の開拓は。 JR東日本だと女性専用車両の近くに女性のための自動販売機を置いている。常温の飲み物、水とかお茶をたくさんラインナップするなどだ。 ―今後のトレンドは。 最新技術の結びつきは絶対出てくる。自動運転と組み合わせて、自動販売機の方から我々の方に来てくれる自走式などがある。補充も自動販売機の方から拠点に来てくれれば、ものすごく補充が楽になる。もう実証実験が進んでいる。 (『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部