トランプ就任と物価高不満、FRBに待ち受ける2025年の難路
パウエルFRB議長にとって、トランプ氏の大統領就任も政策判断の大きなリスク要因である(写真:ブルームバーグ)
2024年のアメリカ金融政策を振り返ると、FOMC(アメリカ連邦公開市場委員会)はインフレリスクの後退と雇用リスクの高まりという「均衡」により、9月会合でようやく利下げに着手した。その時点では2025年も順調に利下げが進む見通しだったが、その後わずか3カ月でシナリオは大きく塗り替えられた。 12月会合後の記者会見でパウエルFRB(アメリカ連邦準備制度理事会)議長は、「これからは新たな局面に入る」と述べ、利下げを慎重に進める方針を表明した。声明文には「利下げ」を表す「政策の追加調整」という文言に、「一時停止・様子見」もあり得ることを示す「規模とタイミング」という言葉が追加された。 FOMC参加者らによる見通しでも2025年の年間利下げ幅の中央値は50bpと9月見通しに比べて半減した。政策金利の相対的な高止まりは2027年末まで続く。
本文:2,232文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
小野 亮