新藤兼人賞金賞に『ナミビアの砂漠』の山中瑤子監督「もっと精進して頑張りたい」
2024年(第29回)「新藤兼人賞」の授賞式が6日、東京・千代田区の如水会館で行われた。 新藤兼人賞金賞に『ナミビアの砂漠』の山中瑤子監督「もっと精進して頑張りたい」 日本映画の独立プロ57社によって組織される日本映画製作者協会が主催し、長編の実写映画が3作目までの新人監督を表彰。24年度の対象は215作品で、その中から金賞は『ナミビアの砂漠』の山中瑤子監督、銀賞は『侍タイムスリッパ―』の安田淳一監督が選ばれた。
『ナミビアの砂漠』は、今年のカンヌ映画祭の監督週間に選出され国際映画批評家連盟賞を受賞。山中監督は「とても光栄でうれしく思います。スタッフ、キャスト、関わった皆さんに心から感謝したい」とスピーチ。続けて、「新藤兼人監督は戦争を許さず、人間とはどういう存在かということを描いてきた。私は脚本を書くのもまだまだなので、もっと精進して頑張りたい」と意欲を新たにした。 『侍タイムスリッパ―』は自主制作で、東京・池袋シネマ・ロサ1館での公開だったが、評判が評判を呼び全国250館以上に拡大。興行収入も7億円を突破し第二の『カメラを止めるな!』とも呼ばれている。安田監督は「ここにいられることが幸せ。これからも小学5年生から90歳までが映画館に行って笑い、明日も頑張ろうと思える映画をつくっていきたい」と話し、満面の笑みを浮かべた。
また、プロデューサー賞は『箱男』、『あんのこと』、『若武者』を手掛けた関友彦氏を選出。1997年に、クランクイン前日に中止となった『箱男』を27年ぶりに実現させ、『若武者』では新しいレーベル「New Counter Films」を立ち上げ、海外のミニシアターと直接交渉して欧米での公開を実現させた功績などが評価された。関氏は、「ビジネススキームとして新たな選択肢の初めの一歩だが、大きな自信になっている。プロデューサーが、これからの若い人にとってあこがれの職業になるよう、力強い映画を作っていこうと思っている」と話した。 なお、受賞監督と最終選考に残った作品の監督はNETFLIXの協力により、次回作の企画を提出できる権利を獲得した。 取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元