小池氏「築地『食のテーマパーク』は一つの考え方」千客万来との両立期待
東京・築地市場(中央区)の豊洲市場(江東区)への移転問題について、東京都の小池百合子知事は24日の定例会見で、市場移転後の築地再開発方針で示した「食のテーマパーク」構想は「一つの考え方」との見方を示し、豊洲に建設予定の商業施設「千客万来」と「両立や相乗効果を図れる案を民間から募集したい」と述べた。
小池知事が直接交渉も
豊洲市場の地元である江東区の山崎孝明区長は6日、千客万来の運営事業者である万葉倶楽部が撤退も含めて検討する姿勢を示しているのを受け、「施設の整備が確定しない限り市場の受け入れを再考せざるを得ない」との考えを表明した。 この発言について、小池知事は「千客万来は築地のにぎわいを引き継ぎ、発展させるものであり、地域の街づくりや活性化に貢献する事業。最優先に設置できるよう進めていく」と述べた。 江東区と運営会社側には、都の担当者が考え方を伝えているが、小池知事は「私自身、足を運ぶかどうか考えていきたい」と、場合によっては自ら交渉に出向く可能性も示した。食のテーマパーク構想を「一つの考え方」としたのは6月に示した市場移転の基本方針からの方針転換といえるのか、との問いには「基本方針は考え方だ。築地の歴史を考えると食は重要な核だ。これは変わってない」と否定した。 豊洲市場の開場日を決める新市場建設協議会については「早期に開催いただき、具体的な移転期日を決定できるよう調整をお願いしたい」とあらためて要望した。 一方で、開場に向けた追加の土壌汚染対策工事では入札不調が相次ぎ、24日現在で9件のうち落札は2件にとどまっている。市場関係者と合意した「2018年10月中旬の開場」に間に合わない可能性もあるが、小池知事は「豊洲市場の開場日に影響が生じることのないよう、速やかに再発注を進めている」と説明。6月から試行している入札制度改革については「わずか数か月の話で全体像を計るところまではきておらず、見直し云々はその後の話」と是非の判断は時期尚早とした。 (取材・文:具志堅浩二)