「日本にこんな場所が…」窃盗犯が住み着いた部屋、暴走族に破壊しつくされたラブホテル…廃墟データベース運営に聞いた“魅力”と忘れられない4つの「部屋」
探索中の危険な体験 野犬と遭遇して…
「心霊現象があるのかないのかは当方の知るところではありませんが、探索にはそれよりも遥かに大きな危険がいくつもあります。クマ、ヘビ、スズメバチなどの獣、踏み抜きによる転落などの事故、道迷い等は、霊的なものよりよほどリアルで怖いですし、実際死亡事故なども起きています。 クマについては距離のある状態でしか遭遇経験がないので、今のところ命拾いしていますが、某山道を歩いていたところ、カーブを抜けたところでばったり野犬と会ってしまいました。向こうも食事中だったのかこちらの気配になかなか気づかなかったようです。こういう“出会い頭”が一番危ないです。明らかな敵意をもって唸ってきたので、目線を切らないようゆっくり後ずさりしてなんとか見逃してもらいました」 「後で気が付いたことですが、その場所の近くに動物霊園がありました。おそらく霊園に犬猫を捨てていく人がいるのでしょう。当方は愛犬家でもあるので、犬を粗末にする人間は許せません。あの野犬も好きであんな環境に生きていたわけではなく、わたしの出現にさぞびっくりしたことでしょう。犬に罪はありません」 ただ廃墟を撮りにいくといっても、その裏では数知れない苦労がある。なぜこれほどまでに大変な思いをしてまで廃墟に行くのか。Haikenさんにとって、廃墟の魅力とはなんなのだろうか。 「廃墟と言ってしまうといかがわしいイメージが先行しますが、詳しく来歴などを調べていくと、時に郷土史に連なるものが立ち現れます。また開業から閉業に至るまでの歴史を辿ると、時代時代のムードや日本経済の変動などを映していて興味深いものがあります。そこには大きな時代のうねりと、土地土地に根ざした経済人たちの奮闘の軌跡があります。 私が廃墟に魅力を感じるのは、廃墟が“人工物(=人に求められて誕生したもの)であるにも関わらず、人の経済活動の中で価値や意味を失ったもの、人がいなくなったもの”であり、物質そのものがむき出しになっているからです。その人工物が自然に侵食されていく様の美しさがあります。廃墟美の半分以上は、要するに自然の美しさなのです」
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