九州大学ラグビークリニック with 伊都ヤングラガーズ。伊都に広がるラグビーの輪
7月27日、来年で創部100周年を迎える九州大学ラグビー部が、地元の伊都ヤングラガーズ(以下、伊都YR)を迎えて、ラグビークリニックを開催した。 同じ伊都地域を拠点とする両チームが、このような協業をするのは今回が初めてだった。 開催場所の九州大学伊都キャンパスのグラウンドは、子供たちから大人まで多世代の笑顔で溢れた。 午前9時から開始したクリニックは、伊都YRが主導する1部、九大ラグビー部が主導する2部、そしてこの日イベントサポーターとして招かれた築城昌拓氏(元セブンズ日本代表)によるふれあい交流会の3部構成でおこなわれた。
今年で創部50周年を迎える伊都YRは、地元では「伊都ヤン」の愛称で親しまれる。 10年前は小学生全学年で15人に満たない時期もあったが、現在は中学生も含めると総勢125名の大所帯のラグビーチームだ。 過去2回のワールドカップにおける日本代表チームの快進撃が追い風となり、チーム関係者の地道な活動が実を結んだ。 伊都YRの浦伊三夫会長は、「九州大学の素晴らしいグラウンドでラグビーができることはとても有難い機会です。大学生と触れ合えることも子供たちにとっても大切なこと」と目を細めた。
九大の伊都キャンパス移転計画は、2005年から段階的に始まり2018年に完了した。ラグビー部は以前までの箱崎キャンパス(福岡市)から約10年前に移転した。 現在、九州学生ラグビーリーグBに所属し、Aリーグへの昇格と全国地区対抗大学ラグビー大会への出場を目標に掲げている。 毎年7月に東大、12月に京大との定期戦がおこなわれ、今年からは鹿児島大との定期戦を復活させた。日本でも有数の歴史を誇る国立大学のラグビークラブだ。 現在、選手29名とマネージャー8名が所属し、主に学生主体で部を運営している。 今回のクリニックでリーダーを務めた山田顕次郎(浦和高校出身、工学部4年)は、「子供たちとラグビーができて初心に帰ることができました。準備するにあたっては大学や伊都YRのコーチの方々、そのほか多方面との調整は大変でしたが、とても貴重な経験でした」と顔を綻ばせた。