債券は下落転換、米金利上昇や日銀利上げ観測が重し-あす30年入札も
(ブルームバーグ): 12日の債券相場は下落に転じている。相場のボラティリティー低下を好感した投資家の需要期待で買いが先行したものの、米国の長期金利が時間外取引で上昇している上、円安進行を背景とした日本銀行の追加利上げ観測も重し。13日の30年国債入札に対する警戒感もある。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大塚崇広シニア債券ストラテジストは、相場の上値では日銀の追加利上げ観測がくすぶることで上げ渋ると指摘。超長期債は30年債入札に向けた調整圧力も相場の重しだとし、「底流では財政拡張懸念も投資家による積極的な買いを抑制している」との見方を示す。
日銀は午前の金融調節で定例の国債買い入れオペを通知した。対象は残存期間1年超3年以下、3年超5年以下、5年超10年以下、10年超25年以下。買い入れ額はそれぞれ3250億円、3250億円、3750億円、1500億円となる。
SMBC日興証券の奥村任シニア金利ストラテジストは、13日の30年債入札について、「給与所得の基礎控除の行方と国債発行計画に関する追加材料を警戒する投資家が多い」と述べ、多少の水準調整の可能性を指摘する。
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Saburo Funabiki