”幸せの国“と呼ばれるヒマラヤの秘境ブータンで、古来より受け継がれ珍重されてきた手織のテキスタイル。その魅力に直接触れられる展示・受注会が東京・代官山のザ・コンランショップで開催中 美しい「ブータン伝統の手織テキスタイル」（写真）

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　ヒマラヤ山脈に抱かれた自然豊かな国、ブータン。インド、中国と国境を接し、面積は日本の九州と同じくらい。約75万人が暮らす国土の7割は森林におおわれている。チベット仏教が人々の暮らしに深く根ざし、多彩な伝統文化が息づくが、中でも人々が日常的に身に着けている民族衣装の美しさには目を奪われる。近年は西洋化の波を徐々に受け入れつつあるが、国の政策として独自の文化を守る姿勢が、他に類を見ない”幸せの国”の姿を形作っている。 　その民族衣装に主なルーツを持つ手織物は古来より珍重され、母から娘へと世代を超えてその技が受け継がれてきた。ブータンには手織りを指す“Hingham”という言葉があり、それは単なる手作業や技術という意味ではなく、“心で織る”ということを表しているという。ウールやシルク、コットンなど自然素材を主に使い、宗教や伝承に根ざしたパターン、ローカルの原料を使った草木染めなどさまざまな製法があり、小さな国ながら地域性も非常に豊かだ。 　1点の手織のテキスタイルを作るには、原料を探し、糸を紡いで染めるところからはじまり、数週間から数ヶ月の時間を要するものもある。また工房で働く職人は9割以上が女性で、経済的な自立が難しい局面に立たされている人も多いという。今回、ザ・コンランショップ 代官山店で開催される「BHUTAN TEXTILE」展は、受注会という形を取ることで製品ロスを防ぎつつ、職人たちの支援につながるよう企画された。担当者がブータン各地の工房を直接訪ねて職人たちと会い、約50点のサンプルを厳選したという。 　1点ずつ異なる表情を持ち、手織ならではの温かみを感じるテキスタイルは、インテリアやファッションにどう取り入れるか悩みながら選ぶのもまた楽しい。多くの物がワンクリックで手軽に手に入る時代、遠くブータンの職人たちが手で織り上げる姿に思いをはせ、約3ヶ月間、手元に届くのを楽しみに待つというのも非常に贅沢な時間だ。 『BHUTAN TEXTILE』展 会期：2024年11月21日(木)～12月10日(水) 会場：ザ・コンランショップ 代官山店 住所：東京都渋谷区猿楽町18-8　ヒルサイドテラスF棟 1F・B1F 時間：11:00～18:00 / 土11:00～19:00　 定休日：水曜日 問い合わせ先 ザ・コンランショップ 代官山店 TEL. 03-6703-6700 BY T JAPAN