絶対王者とは思えない貪欲さ……レッドブルのフェルスタッペン&ペレス、ニューマシン『RB20』の進化ぶりに驚き「まさかこんなにコンセプトを変えるなんて!」
レッドブルが2月15日(日本時間16日)に発表した2024年のニューマシン『RB20』。前年のRB19からの正常進化版と言われていたが、発表されたマシンは各所にコンセプト変更の痕跡が見られた。 【ギャラリー】正常進化? いやいや過激なデザインも各所に! 連覇狙うレッドブルが新車『RB20』を発表 例えばサイドポンツーン前方は、後にライバルチームが模倣した、開口部下部が受け口のように前方に伸びた形状から、開口部の上部を前方に伸ばした形状となっている。肝心の開口部は、縦長で非常に細くなっているように見える。その他エンジンカウルも両サイドが大胆に盛り上がって段差を形成しており、前年のメルセデスW14を彷彿とさせる。 2023年シーズンを22戦21勝という圧倒的な成績で制したレッドブルは、現状に甘んじることなく、積極的な変更をマシンに加えてきた。こういったチームの姿勢には、昨年のドライバーズチャンピオンであるマックス・フェルスタッペンも感銘を受けているという。 「彼らが選んだ方向性にはかなり満足している」 フェルスタッペンはそう語る。 「昨年のアブダビあたりで図面を見たんだけど、『ワオ、ある意味けっこう(2023年マシンと)違うね』という感じだった。保守的ではなかったんだ」 「僕がこのチームで好きなのは、素晴らしいパッケージを持ちながら、もっと良くするために全力を尽くすところだ。もちろん、これが本当に良いものなのかは時間が経たないと分からない。でも僕が見る限りでは、チームのみんなは冬の間にやってきたことに満足している。もちろん、他の人たちが何をしているかは分からないけどね」 フェルスタッペンは、こういったレッドブルの開発におけるアグレッシブさを「コントロールされたアグレッシブさ」だと表現する。一体何がしたいのか疑問符が付くようなものではなく、納得できる形で変更を加えているからこそ、チーム全員がそこに納得しているのだ。 またフェルスタッペンのチームメイトであるセルジオ・ペレスも、RB20のコンセプト変更には驚いたようだ。マシンの印象について聞かれたペレスは、こう語った。 「僕はこれがこのチームのハングリーさを表していると思う」 「僕たちは昨年、あんなに圧倒的なマシンを持っていたから、こんなにコンセプトを変えてくるなんて想像ができないだろう。レッドブルは本当に勇敢だと思う」 レッドブルはRB20の発表前に雨のシルバーストンでシェイクダウンを実施し、その時の動画が流出して話題となったが、フェルスタッペンはシェイクダウンでの感触について問われると「雨で寒かったから滑りやすかったね!」と語り、さらにこう続けた。 「でも全てが順調だった。あれは文字通りフィルミングデー(撮影日)だから、マシンがちゃんと始動して走ることを確認するだけ。基本的にマシンはそこからバーレーンに送られるからね。そこ(バーレーンテスト)が本当のスタートで、マシンについて深く学んで、適切なプログラムを組んで色々な走行をすることになる」 「もちろん、シミュレータから正確なフィードバックを得るためにも、まずは実走行をした方がいい。とにかく今のところは、シムでの走りも含めて皆が満足している」
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