【閉経後の病気リスク】「いつの間にか骨折」って、どこの骨がどうなるの?内臓にまで悪影響があるって本当?
テレビCMでもよく耳にする「いつのまにか骨折」だが、どこの骨がどう変化するのかご存じだろうか? 場合によっては内臓にまで影響が及ぶ恐ろしい症状だ。気になったら、早めの検査と予防を。産婦人科医の吉形玲美さんに詳しく教えてもらった。
Q. 「いつのまにか骨折」って何ですか?
A. 骨粗しょう症が原因で起きる骨折のことです 「閉経後の女性に多い、骨の病態のひとつです。正式には、骨粗しょう症が原因となって背骨(脊椎)が押しつぶされて変形する『脊椎圧迫骨折』といいます。自分では骨折に気がつかない人が多いことから『いつのまにか骨折』とも呼ばれるようになりました。 『いつのまにか骨折』は体幹を縮めてしまい、肺や消化器官にも悪影響を及ぼすことをご存じでしょうか。さらに、息切れしやすい、胸やけしやすい、食欲不振、便秘といった、さまざまな慢性不調を連鎖的に引き起こす原因にも。 『背中や腰の痛みが続く』『短期間に2㎝以上身長が縮んだ』などの自覚症状がある場合は、『いつのまにか骨折』の疑いがあるので、整形外科の受診を」(吉形先生)
●年齢と閉経に伴う骨密度の変化(概念図) 女性の骨密度が特に低下するのは、女性ホルモンが急激に減る閉経後15年間。運動や食事など、骨の対策を何もとらずにいると、ほとんどの人は骨粗しょう症になってしまうそう! 予防のために更年期から骨密度検査をしよう。
【教えてくれたのは】 吉形玲美さん 産婦人科医、医学博士。浜松町ハマサイトクリニック特別顧問。大学病院で医療の最先端に立ち、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究にも数多く携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、現クリニックへ。更年期、妊活、月経不順など女性の体のホルモンマネジメントが得意。著書に『40代から始めよう! 閉経マネジメント』(講談社) グラフ/小柳東子 イラスト/平松昭子<アイキャッチ> 構成・原文/井尾淳子