岐阜新聞社

　岐阜県警多治見署は12日、多治見市内の60代女性会社役員が約2億4350万円をだまし取られる被害に遭ったと発表した。特殊詐欺事件として調べている。県警によると、県内で今年届け出のあった特殊詐欺による被害額として最高とみられる。 　署によると、8月上旬、女性宅に見知らぬ女から電話があり、警察官を名乗る男に代わって「あなた名義の口座で詐欺に遭っている人が何人もいる。裁判になったら出廷してもらう」「身の潔白を証明するためにあなたの口座のお金を調べる必要がある」「暗号資産口座をつくる必要がある」などと言われ、指示されるままに女性が自身の個人情報を伝えると暗号資産口座が作られた。その後、男から「暗号資産口座にお金を入れて。調べて最後は返す」などと言われ、8月8日～今月1日に指示された女性名義の口座に65回にわたり現金計2億4350万円を振り込んだという。 　女性は1人暮らし。約束の返金がないことを不審に思って今月、別居の娘に相談し、警察への相談を促されて11日に同署を訪れて発覚した。女性名義の口座は犯人側が管理。やりとりは固定電話を入り口に、途中から交流サイト（SNS）の通話に誘導された。警察官と上司を名乗る男が入れ替わり登場し、信じ込ませたという。