松本清張作「砂の器」節目祝い式典 舞台となった島根県奥出雲町 映画50周年、ドラマ20周年
松本清張原作「砂の器」の映画公開50周年とTBSテレビドラマ放送20周年を記念した「砂の器記念祭」がこのほど、島根県奥出雲町亀嵩の亀嵩小体育館であった。挿入曲「宿命」の演奏や子役として映画に出演した春田和秀さん(58)らのトークショーがあり、約600人が色あせない作品の魅力に触れた。 【写真】木次線八川駅 映画「砂の器」では亀嵩駅 なぜ・・・?
亀嵩は物語の重要な舞台で、映画やドラマのロケも行われた。トークショーには、作品にまつわる著書がある映画評論家、映画監督の樋口尚文さん(62)とライターの村田英治さん(59)、奥出雲町特別顧問で弁護士の大川哲次さん(77)も登壇した。 春田さんが演じる「本浦秀夫」とハンセン病の父が登場する映画終盤のシーンは、原作の記述を大胆に脚色している。 「宿命」が流れる中、親子が差別を受けながら各地を巡り、亀嵩で別れを迎える。セリフのないシーンだが、樋口さんは「目力がすごく、そこにいるだけでも何か語ってくれる」と劇中の春田さんの存在感をたたえた。 町内のロケ地を訪れ、ファンと交流もしたという春田さんは「もったいないくらいすてきな50周年を迎えることができた。こういう映画は本当に大切にしないといけない」と話した。 ドラマ「砂の器」の福沢克雄監督が映画や奥出雲町について語るコーナーや、35ミリフィルムでの映画「砂の器」上映会もあった。