“終身刑化”する無期懲役 2023年の仮釈放8人、獄死30人 無期囚「長い受刑生活を耐えるわずかな希望」
●不透明な判断基準に批判、受刑者「死刑よりきつい」
また、無期懲役囚の仮釈放に関しては、その判断基準が不透明であることから、「法律に基づかずに内部通達の運用によって密かに終身刑とされている」などといった批判の声もある。 こうした「無期懲役刑の終身刑化」は、実際に服役している受刑者に心理的な影響を与えているようだ。 西日本の刑務所で服役する無期懲役囚の男性は、これまでの記者の取材に「一般的な死刑と違い、無期懲役は時間をかけて行われる死刑であり、終身刑と同じだと感じています」として、「無期懲役刑は死刑よりきつい」と打ち明けた。 最近、無期懲役刑を言い渡されたある男性は、記者への手紙に「わずかな希望がこれからの長い受刑生活を耐えていく糧の一つになる」と吐露し、無期刑に仮釈放の可能性が残されていることが受刑者に与える影響の大きさを訴えた。