「え、こういうのも書くの?」ホラー、コメディ、時代物…… 柚月裕子がデビューから手掛けた11の短編&ショートショートを収録したオムニバス作品集が文庫化でベストセラー
5月1日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文庫第1位は『白鳥とコウモリ(上)』が獲得した。 第2位は『白鳥とコウモリ(下)』。第3位は『変な家 文庫版』となった。 【写真を見る】『チョウセンアサガオの咲く夏』単行本刊行時にサインをする柚月裕子さん 1位から3位は先週と変わらず、東野圭吾さんの長編ミステリ『白鳥とコウモリ』上下巻と映画版も人気の『変な家』がランクイン。4位以下で注目は4位と8位にランクインした『三体2 黒暗森林』の上下巻。世界中で大ブームを巻き起こした中国発のハードSFの第二部。日本でも2019年に第一部『三体』が出版され大きな話題を呼んだ。文庫版は今年2月に第一部が発売され、第二部が4月23日に発売。6月19日に第三部の発売が予定されている。 同じく4位以下で注目は5位に初登場の『チョウセンアサガオの咲く夏』。「孤狼の血」シリーズ(KADOKAWA)などのハードボイル小説や『盤上の向日葵』(中央公論新社)などのミステリ小説で知られる柚月裕子さん初のオムニバス短編集。ミステリやホラー、時代物やコメディなどデビュー以来手掛けてきた様々なタイプの短編11作が収録されている。柚月さんは単行本刊行時のインタビューで《読み直すの、けっこうつらかったです(笑)》と明かしながらも《この一冊は、私の記録。最近の私しかご存じない読者の方にとっても、『柚月裕子らしいな』という短編から『え、こういうのも書くの?』というショートショートまで、いろいろなテイストを楽しんでいただける一冊になりました。子どもの頃、大事なものを缶の中にコチャコチャッと入れませんでしたか? 色とりどりの宝物が入っていて、開けるとなんだかうれしい缶。そんな感じで楽しんでいただけたらと思います》
1位『白鳥とコウモリ(上)』東野圭吾[著](幻冬舎) 新たなる最高傑作、待望の文庫化! 二〇一七年、東京竹芝で善良な弁護士、白石健介の遺体が発見された。捜査線上に浮かんだ倉木達郎は、一九八四年に愛知で起きた金融業者殺害事件と繋がりがある人物だった。そんな中、突然倉木が二つの事件の犯人と自供。事件は解決したと思えたが。「あなたのお父さんは嘘をついています」。被害者の娘と加害者の息子は、互いの父の言動に違和感を抱く。(幻冬舎ウェブサイトより)